【スタンド考察】チョコラータのグリーン・ディを解説!

グリーン・ディ/Green Day

破壊力:A
スピード:C
射程距離:A
持続力:A
精密動作性:E
成長性:A





グリーン・ディ





本体名:チョコラータ

人喰いカビ胞子

破壊力:A
スピード:C
射程距離:A
持続力:A
精密動作性:E
成長性:A


ギャング組織パッショーネのボスの隠し玉とされていたチョコラータのスタンド。
ポルポの「矢」で目覚めたと思われる。
元ネタはアメリカのパンクロックバンド、Green Dayから。

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能力は「下方に下るものを侵食し、自ら拡散する肉食カビ」。

パイプを束ねたような筒状の体型に、指先と頭部からカビを噴出し続ける人型・能力顕現型のスタンド。

グリーン・ディは、チョコラータの「人の苦しみと死ぬまでの表情を観察したい」という歪んだ好奇心を満たしたい願望が顕現したスタンド。

チョコラータの邪悪な好奇心をパイプのように汲み上げ、肉食カビとして散布する。



グリーン・ディから散布される肉食カビはスタンドであり、肉体に寄生する。
通常のカビとは異なり、非生物を苗床にすることはなく、生きている肉体のみを対象とする。

このカビは付着しているだけでは無害で何もしない。
しかし、一度付着している生物が階段を下るなど、下方に進んだ途端、付着している肉を喰らい、増殖、発芽、成長と広がり始める。

この増殖は痛みもなく、一気に肉も骨も蝕んでいく。
気づくと腕や顔もカビまみれでボロボロに食い尽くされ、階段を飛び降りたものは下半身がカビに侵され崩壊する。
階段で寝ていた酔っ払いは下半身がカビに覆われ、上半身と下半身が分断。
バイクで坂道を下ったバイカーは生きたままカビに食い尽くされた。



なお、死体にカビは付かないようである。
つまり、生きている肉体をあらかた食い尽くしたカビはそこでまた自らを胞子に戻し、散布、拡散する。

苗床となってしまった生物の下方はこうしてカビが蔓延していくのだ。
逃れるためには、カビのないエリアに行くか、上方に昇り続けるしかない。

自らのスタンドの性質を知るチョコラータは、ブチャラティたちより上方に苗床となる感染者を突き落とし、自身の患者でもあるセッコを放って下方へと追い詰めた。





グリーン・ディのカビの適用者をチョコラータは明確に指定し、扱えるようだ。
ジョルノに追い詰められた際、自身にカビを取り付かせて出血を抑えることで、自身の肉体をバラバラにした。

無論、バラバラにしたところで神経がつながっていないので自由に動けるわけではない。
これを、グリーン・ディを通すことでカビから神経を刺激したのか、足や腕などの可動部のある部位のみは動かしたようである。

セッコはオアシスの能力のためか、チョコラータがグリーン・ディの効果範囲から外しているのか、その両方のためか、カビの影響を受けない。
チョコラータの恐ろしいところは、カビの適用範囲を決められるのに、ローマ市内の住民が死ぬのを気にせずカビを広げるという精神である。





人が恐怖に慄く状況になるように拡散するカビ

能力の本質は「数秒以内に、鉛直下方に体長分下ることをトリガーとして生長する、カビ胞子の散布」。

グリーン・ディは本体チョコラータの持つ、絶望する人間の表情を長く観察したい、という邪悪な好奇心の発露である。

そのため、能力の顕現である肉食カビは、その好奇心を最大化するための働きをする。





まず、グリーン・ディの頭部や指先からは、カビの胞子が散布される。
この胞子は微細なスタンド胞子であるため、一般人に視認できないどころか、スタンド使いも知覚できない。

この胞子がいつのまにか全身や口腔などを通して体内にまで付着する。

このスタンド胞子の群でもって、グリーン・ディ は付着した生物の移動量を検知している。
そして、生物が鉛直下方に体長程度下った時、胞子は苗床の「」と「生命エネルギー」を餌として自動的に発芽生長を開する。
このとき、物質融合を起こすため一般人にもカビは見えるようになる。
この生長に痛みはなく、スピードはとても早い。
瞬時に次の胞子を生み出し、発芽し、また次の胞子を生み出し、苗床を蝕む。


このスタンド胞子は苗床から生命エネルギーを取込んで成長する自動操縦型スタンドである。
このため、チョコラータは直接の操作をしているわけではなく、下に向かうというトリガーにのみ反応する。
そして、グリーン・ディのスタンド胞子は肉体を苗床にするため、肉体に寄生して殺せば殺すほど苗床を増やし、能力の射程範囲を数キロ以上にまで広げていく。
苗床を起点として伝播していく環境伝播タイプのスタンドでもある。
このタイプは自分に得意な環境を作り、能力の射程距離を伸張させる。

この自動的な動作は全て、「苦しみ絶望する姿を観察したい」想いから来ている、下方に下るという、このカビから「逃げる」行為を行ったものにだけ発動する。



しかもタチの悪いことに、発動したからといって食い殺すまで時間がかかり、絶望は長引くようになっている。
さらに、上方に戻るとカビの生長は止まることから、感染者は逃げ場の狭まる上へ上へと逃げざるを得なくなる。
カビに覆われる恐怖だけでなく、徐々に追い詰められるという絶望も付加されて味わうことになるのである。

なお、このカビは上述の通り「」と「生命エネルギー」を養分とするため、通常のカビと異なり非生物には感染しない。

同様に、「生命エネルギー」のない死体にも感染しない。
このため、チョコラータは作中でカビをより広範囲に広げるため、敢えてトドメをさしていない一般人をヘリで吊り下げ、より上方に投棄した。

また、このカビは「知性」にも取り付かない。
スタンドがカビに覆われることはないため、カビによって朽ち果てるスピードは植物、一般人、スタンド使いという順に遅くなる。






タガの外れた邪悪

無差別に広範囲で犠牲者を出したにも関わらず一顧だにしない、チョコラータ。
犯罪組織のボスであるディアボロですら、意味のない犯罪や暴力を起こさないため、この精神破綻者の運用には注意をしていた。

医者でありながら、患者も仲間のセッコも、雇い主のディアボロ全て自分の遊ぶための道具としか見ていなかった。
その顧みない傲慢な精神が悪意を拡散するグリーン・デイとなったのだろう。

それ故、ジョジョ史上もっともページを割かれた、ジョルノの無駄無駄のラッシュを浴びる最期であった。




なお、グリーン・ディと相性が悪く、カビの生えないスタンド使いはごく僅かにいる。
スタンドの体液をまとうオアシス、同じくスタンドをまとえるイエローテンパランス、「生命エネルギー」ではなく「運動エネルギー」で稼働しているノトーリアス・B・I・G

特にノトーリアス・B・I・Gは「生命エネルギー」で動いていないだけでなく、「」が死肉である。
ブチャラティに肉食カビが取り付かないことを鑑みると、肉は肉でも「生きた肉」しか食べないのかも知れない。



出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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