スタンド使いを生み出す6本の「矢」の行方/Whereabouts of The Six Allows
タカウチです。
ジョジョの奇妙な冒険 第五部 黄金の風のアニメも最終回まであと少しですね。
第五部にて、スタンドは宇宙から飛来した隕石に付着するウイルスが原因と示唆されました。
古代、神のような力を求めたものが、その力を使ってきたのではないか、と。
正確に言うと発掘されたのは矢尻なわけですが、その数は6本。
これがジョジョの物語に直接的、間接的に関わってきます。
「弓と矢」、「矢」、「スタンドの矢」、「聖なる弓矢」、「石の矢」などと呼ばれ、物語を動かすキーとなってきました。
矢と物語の関わりと、誰の手に渡りどこに行ったのかを考察します。
それぞれの矢の行方
1本目 ポルポの矢
発掘した矢からキング・クリムゾンを発現したディアボロは、矢の有用性を知り、自分の作り出すギャング組織の拡張に慎重に使ってきた。
それがこの矢である。
ディアボロの慎重かつ帝王は自分ただ1人で良いという考えから、敵を生み出しかねない残りの矢を全てエンヤ婆に売り払ってしまうを
そして、自分に忠誠を誓うポルポに矢の運用を任せた。
ポルポはボスの命令に従い、大きくなった組織に都合の良い鉄砲玉スタンド使いを次々と生み出して自身の縄張りを増やしていた。
第五部に登場するスタンド使いのうち、ジョルノのゴールド・エクスペリエンス、トリッシュのスパイス・ガール、スコリッピのローリング・ストーン(ズ)、コニーリオのザ・キュアー、マッシモのマニック・デプレッション、コカキのレイニーデイ・ドリームアウェイ以外は全てこの矢から生み出されている。
2本目 レクイエムの矢
その時に使っていた矢の1本である。
その後は命をかけて矢の秘密を守り、ジョルノのスタンドをゴールド・エクスペリエンス・レクイエムへと進化させた。
その後はジョルノが矢を所持しているものと思われる。
3本目 虹村形兆の矢
最も杜王町の住人の血を吸った矢と言える。
おそらくだが虹村父にもスタンドの才能があり、詳細不明だがスタンド使いとして目覚めたと思われる。
虹村父がエンヤ婆から矢を渡されたのか、盗み出したのか不明であるが、矢は杜王町へと持ち込まれた。
その後、成長した形兆と億泰は偶然か必然か、矢によってスタンド使いとなる。
その後、承太郎たちによってDIOが倒され、肉の芽が暴走して虹村父は不死の化け物となる事故が発生。
虹村形兆は父と似ても似つかぬ化け物を殺せるスタンド使いを探すため、矢を持ち出して杜王町の住人を射抜きまわる。
これにより、片桐安十郎のアクア・ネックレス、広瀬康一のエコーズ、音石明のレッド・ホット・チリ・ペッパー、山岸由花子のラブラブ・デラックス、岸辺露伴のヘブンズ・ドアー、虫食いのラットのスタンドを発現させている。
4本目 吉良吉廣の矢
どういった交渉をしてエンヤ婆から吉良吉影の父、吉良吉廣の手に渡ったのかは不明である。
その後、巡り巡って矢を手に入れた吉良吉廣は、自分自身がアトム・ハート・ファーザーを発現することで矢の性質を知る。
そして、殺人をしなけれはならないサガを持つ息子の吉良吉影を守るためだけに矢を使い始めた。
この矢は虹村の矢と違い、スタンド使いとなる素質のあるものを見分ける矢であった。
まず吉良吉影にキラークイーンを目覚めさせ、さらにシアーハートアタック、バイツァ・ダスト、じゃんけん小僧のボーイ・II・マン、支倉未起隆のアース・ウインド・アンド・ファイヤー、噴上裕也のハイウェイ・スター、宮本輝之輔のエニグマ、乙雅三のチープ・トリック、猫草のストレイ・キャットを目覚めさせた。
常に吉良吉廣が写真の中にしまっていたが、吉良吉廣が仗助の策によって爆破されてしまい、その後の行方は不明である。
5本目 プッチ神父の矢
DIOが承太郎たちと戦う前、実は渡米をしている。
目的は配下を作ることなのか、天国へ行くためのヒント探しなのか不明だが矢だけ持ち歩いていた。
DIOは若き日のプッチと出会うが、これも引力の結果と信じた。
天国へ行くためには自力だけではなく、信頼できる友が必要とこのころから考えていたのだろう。
引き寄せた運命を感じたDIOはプッチに矢を渡す。
プッチ神父はその後、DIOのことを調査して天国へ行く方法を求め始めるのだが、その際に矢をどこに隠していたのかは不明。
第6部終盤で宇宙が一巡してしまい、行方不明となる。
6本目 徐倫の矢 or 空白の矢
または
ディアボロ→エンヤ婆→行方不明
SPW財団に保管してもらっていたものと思われる。
承太郎は娘の徐倫がG.D.st刑務所に収監されたという情報から陰謀を感じ取り、徐倫を救い出し、身を守る力を与えるために矢の欠片をペンダントに入れて持ち出した。
無事、徐倫はストーン・フリーを発現するが、親子のわだかまりからペンダントを投げ捨ててしまい、刑務所内でエルメェスやグェスの手に渡り、スタンド使いを生み出すことになる。
グェスからペンダントを回収したのち、徐倫が保管し、のちにSPW財団に預けたものと思われる。
ここまで徐倫に渡された矢を6本目の矢として説明してきたが、この矢は3本目のSPW財団に回収された矢である可能性もある。
徐倫の矢はエンヤ婆から承太郎の手に渡るまでの経路が不明であり、3本目の虹村形兆、音石明から回収した矢を承太郎が持ち出した、としても違和感はない。
さらに、矢はレクイエムの矢を除くと全て同じ形状をしているため、個体識別が難しい。
このため、徐倫の矢が3本目の虹村形兆の矢であるか、同定できない。
仮に、虹村形兆の矢が紆余曲折を経て徐倫に渡ったものとすると、6本目の矢はディアボロからエンヤ婆に渡ったのちの行方が一切が不明の空白の矢、ということになる。
ジョジョの2次創作で扱われる矢はこの6本目の矢が多いように思われる。
7本目 大神照彦の矢
骨董品屋→大神照彦→行方不明
ディアボロが発掘した矢は6本のみであるが、外伝にて別の7本目の矢が登場している。
第4部の外伝小説、The Bookにて大神照彦が海外旅行中に見つけた骨董品屋に密かに置かれていた矢尻である。
この矢尻はひびが入っていて、形もゆがんでいたそうだが、棚の上から落下した際に大神照彦を傷つけ、メモリー・オブ・ジェットを発現させている。
矢尻そのものはまだ骨董品屋に置かれたままのようである。
店主いわく、矢のなかでも捨てられた失敗作ではないか、とのこと。
当初、筆者は6本目の矢が大神照彦の矢であり、後に徐倫の手に渡ったと考えていた。
しかし、ジョジョマニアの方々の考察やジョジョの奇妙な日常様のジョジョ年表を見て、考察を改めて、7本目と結論づけることにした。
根拠として、大神照彦が飛来明里と海外旅行に行ったのは、杜王町のビルの間に突き落とす前の話なので1981年かそれ以前の話になる。
そして、ディアボロが矢を発掘したのはトリッシュの母ドナテラと出会った前後であるため、1986年頃となる。
つまり、大神照彦の矢がディアボロの6本の矢である可能性は時系列的にあり得ない。
無論、古代の民が隕石から作り出した矢は6本だけではないだろうから、散逸したいくつかの矢がまだ存在していてもおかしくはないだろう。
リンク
まとめと考察
ディアボロにより発掘された矢ですが、6部の時点で現存が確定しているのは2本目と3本目の2本のみ。
行方不明となっている矢も実はSPW財団が回収している可能性ももちろんある。
そうすると最大で4本は現存している可能性がある。
6本目の空条徐倫の矢は、実はSPW財団に回収された虹村形兆の矢の可能性もあり、確定できていない。
これは6本の矢のうち4本は同じ模様をしているためだ。
ちなみにアニメでは5本とも同じ模様をしている。
すると、6本目の矢は全くの所在不明ということになる。
恐らく世界中のスタンド使いを増やすためにDIOとエンヤ婆に使われたものと思われるが、その後は行方不明。
持ち主不明の空白の矢である。
さて、6本の矢のうちレクイエムの矢のみ、虫のような装飾がされているため判別可能である。
ただし、この虫のような装飾とレクイエムウイルスは最初からあったのか、力を求めた古代人が改造して装着させたものかは闇の中だ。
ジョジョ世界において、人類も柱の男たちも岩人間も常にステージを上げることを求めている。
それが波紋や回転、石仮面、スタンド、究極生命体、レクイエムという技術や進化という形態で現れている。
力を求めた古代人の一部がスタンドウイルスの付着する隕石を見つけたのだろう。
しかし、ポルナレフが語ったように、隕石についたウイルスに感染するだけでは、超常的な力を得ながらも制御に至らずに死亡してしまう。
そこで、古代人は試行錯誤を重ね、短時間に大量のウイルスを注入できるように隕石を加工したのではないか。
その人体実験も含めた研究の末に出来たのが、6本の試作品。
ほとんどの矢は生き残れたものがスタンド使いとなる、という荒削りなもの。
ただその中の3本、スタンドウイルスを多数生息させることに成功した。
その矢が吉良吉廣の矢、プッチ神父の矢とレクイエムの矢である。
吉良吉廣の矢とプッチ神父の矢には十分なウイルスが住み着いているため、近くに強い願望や無意識の欲求がある人間がいると、その人間に感染しようと矢そのものを動かそうとする。
これが「矢が使い手を選ぶ」という現象である。
レクイエムの矢には逆にウイルスが多すぎるほどに生息させることに成功している。
だからこそ、この矢に住むスタンドウイルスはウイルス間で生存競争が起こり、さらに凶暴なレクイエムウイルスへと進化している。
以上が考察となります。
矢そのものはジョジョのキーアイテムであり、登場するたびにワクワクさせられます。
矢の行方も、ジョジョファンの妄想を刺激されて、自分自身でも深く考察してみました。
大神照彦のように、僕の目の前にも矢尻が転がってこないものですかね〜笑
出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険
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漫画考察ランキング1位達成!!漫画ランキング1位狙ってますので、
物凄く詳しい説明有難うございます!
返信削除エンヤ婆は多分ディアボロに詳しい使用方法を教えなかった可能性ありますよね。そもそもなぜ知ってたんだろう。元所有者の末裔か何か?
吉良の親父の使い方が本来の使い方だった説も捨てがたい。そうなると五本の矢の性能は同じな事になる。あと徐倫のペンダントの矢は康一君が回収したポルポの矢の可能性もあります。(砕くの勿体ない)
六部回想のDIOがその方法でスタンド使い(部下)候補を探していた可能性もある。
アニメだと虫の矢は一本なんですよね。プッチDIOに返したのかも(汗)
どうでしょう?
タカウチです。
削除コメントありがとうございます。
確かに!エンヤ婆はなんで矢の使い方を知っていたのか?気になりますね。アステカの民やそういった能力を追い求めた者たちの末裔というのはありそうです。
形兆もちゃんと矢の使い方を知っていればあんなに殺人はしなかったかも、ですよねぇ。
徐倫の矢はポルポの矢、というのも可能性あると思います!
砕け方がポルポの矢と徐倫の矢で違うので、記事の中では書いてないんですが、荒木先生はそんなこと気にしなさそうなので(笑)
レクイエムの虫の矢は一本だけ、本当に何故なんでしょうね。
そして、プッチがDIOに矢を返却していた、それは盲点でした。普通に郵送で返してそうなところはありますね(笑)