【スタンド考察】広瀬康一のエコーズACT2を解説!

エコーズACT2/Echoes ACT2

破壊力:C
スピード:C
射程距離:B
持続力:B
精密動作性:C
成長性:A

広瀬康一のエコーズACT2
ジョジョの奇妙な冒険ABC 4弾 【アンコモン】 《スタンド》 J-403 エコーズACT2


エコーズACT2
エコーズACT2のスタンドパラメータ

本体名:広瀬康一

広瀬康一

擬音の効果を体験させるスタンド

破壊力:C
スピード:C
射程距離:B
持続力:B
精密動作性:C
成長性:A



虹村形兆の「弓と矢」に射られて発現後、山岸由花子との争いで成長したスタンド。
元ネタはイングランドロックバンド、ピンク・フロイド(Pink Floyd)の楽曲、Echoesから。

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能力は「擬音語をしっぽ文字に込めて、触れたものに対応した現象を発動する」。

エコーズACT2はエコーズACT1から成長、脱皮したエコーズの第2形態。

殻を背負った小動物のような姿の遠隔操作型スタンド。
足は生えたがACT1に比べてより小型化していて、しっぽの先端には槍の穂先のようなものが付いている。

進化したエコーズ

このしっぽの先端は取り外しが可能で、ACT1のようにマンガの擬音を立体化したような形状に変化させられる。

この「擬音」の塊は「しっぽ文字」と呼ばれ、スタンドエネルギーを込めて投擲したり、床などに貼り付けて罠として使用する。

このしっぽ文字に触れると、擬音に対応したエネルギーが解放されて、触れたものはその衝撃を被る。

作中では「ドヒュゥゥウウ」という文字で突風に吹き飛ばされたり、「ドジュウウ」という文字で火傷を負わされたり、果ては「バグオン」と爆発させたり、「ボヨヨン」と尖った岩もトランポリンのように変えてしまっている。

ドヒュウウで吹き飛ぶほどの風圧を感じる



音声制御はさらにあらゆる振動エネルギー制御へ

能力の本質は「高速且つ指向性のある振動エネルギーを尻尾に与えて、しっぽ文字に触れるものに衝撃と熱エネルギーを加える」。


エコーズACT2は扱える振動をレベルアップさせた、ACT1の正常進化と言える。

ACT1よりも体長は縮み、音の攻撃が一度に一回しか出来なくなっているが、その分エネルギーの密度が高まっている。

既存の音声の物理的な性質しかACT1では扱えなかった。
しかし、ACT2に成長し、自ら擬音を創り出せるようになった。
これは擬音を音量、周波数で再現するだけでなく、擬音に込められた意味を再現する振動エネルギーも込められている。

ACT2は尻尾文字と同じ現象を起こす

ACT2はACT1よりも扱える周波数が向上しており、電磁波のような高周波なエネルギーまで操作する。
この振動エネルギーは「知性」に浸透して、結びついて変質、影響を与える特性がある。

このため、指向性なく振動エネルギーを加速させれば、熱する擬音で火傷するほどの熱エネルギーとなる
突風の擬音では、触れた生物だけが指向性のある運動エネルギーを受けて吹き飛ぶ。
爆発の擬音では、速やかに「知性」に浸透、結合しながら無作為な運動エネルギーを発生させて爆発する。
バネの伸びる擬音では、一時的に身体の弾性力を変えて跳ねるようにしてしまう。

身体がバネのようになって弾かれる

触れたものの「知性」を利用して大きな効果を生み出すところはキラークイーンに似ている。
ACT2はキラークイーンよりも汎用性が高い分、威力はかなり劣っている。

ACT2は遠隔操作型であるし、そこまで巨大なエネルギーを本来扱えない。

しっぽ文字に触れると、ACT1によってザ・ロックの小林玉美が音による混乱を与えられたように、身体の内側に「擬音」が染み込み、自分自身がその影響を受けているという「自己暗示」にかかる。

このため、本来以上に影響を受けて自分自身で飛んでいるかのように吹き飛ばされたり、自己暗示にかかった人間が火傷を負う実験のように、熱以上に熱を感じるのである。




ACT2はACT3より強い?どこまで出来るのか?

エコーズACT2の汎用性の高さから実は何でも出来ると誤解されがちである。
ACT3への進化はむしろ退化なのでは?と勘ぐるのもよくあることだろう。
ACT2は本当になんでも現象を再現できるのか?
というと、実はそんなことはなく、ACT2が操れるのは「擬音語」に限られる。
これはACT1から継承されている、触れると対象に描き文字の効果を及ぼすという形式にも関連する。

ACT2は前節でも考察した通り、描き文字の現象を自己暗示として、標的の感覚に訴えかける。
これは「ドジュウウ」に触れたらもしかしたら熱いかも?と読者に思わせるから起きていることである。

熱があるとスタンドにまで暗示をかけるドジュウウ

これが逆に、気持ちが暗くなる「ズーンッ」という描き文字に触れたら暗くなるかも?とは思いにくい。

このように現象の様を表す「擬態語」では「自分側その影響を受けるという自己暗示」を与えづらいため、効果が発揮されない。



つまり、エコーズACT2が「ズンッ!」というしっぽ文字によって「重さ」を与えてエコーズACT3の能力を使うことはできないのである。
同様にジョジョのゲーム、Eyes of Heavenでやったような「ドラララッ」の文字であったり、空を飛ぶ擬態語の「ピューッ」などは効果を発揮しないと思われる。




スタンドは1人1能力のはず スタンドの進化とは?

最後に、広瀬康一は以降エコーズをACT1ACT2で今後使い分けていく。




エコーズACT2は広瀬康一がさらなる闘争心を発揮したとき、能力の向上と形成によって進化したスタンドである。

ACT2とACT1は併用できる。

その成長の経験が一皮向けたように進化まで至らせている。

スタンドが新たな技を覚えるなどの進化は稀にあるが、脱皮までする例は少ない。
スタンドは本当に一人一体なのか?の考察でも述べたように、スタンドは成長・進化しうる。

しかし、スタンド能力自体か本体の精神性をフルに使い切ることで発現するようなものなので、普通の精神力ではほぼ進化は起きえないため、スタンドは1人1能力という定説となっているだけである。

では何故、広瀬康一のエコーズは進化したのか?
これは広瀬康一が普通の人間であり、さらに「矢」とクレイジー・ダイヤモンドの能力によって特殊な形でスタンド使いに目覚めたためである。

通常、スタンド使いに目覚めるような人間は自分の生き方や願望に振り切っており、「矢」で射抜かれるとこの完成された精神性がスタンドとして発現する。

対して広瀬康一は本来スタンド使いに目覚めるような精神性ではなかった。
このため、ACT0ACT1と自分の精神力をフルに使っていない能力が発現している。
ここに、自分の全能力、全人格をかけて切り抜けなければならない山岸由花子という人物が現れることで、広瀬康一は大きく成長した。
人生に何度とないような経験は、広瀬康一自身の精神性を進化と言って良いほど成長した(というか、これまで使っていなかった精神力をフルに扱えるようになった)。
これがエコーズの進化の正体である。

エコーズACT2はさらに進化する

また、生まれついてのスタンド使いや精神的に大きく成長する素質を持つ人物の場合は、精神性が完成されているわけではないため、成長の機会があるたびにスタンドが成長しているはずである。
とはいえ、自分自身にフタをするような生き方はしていないため、そこまで大きな精神的成長もなく、少々の成長止まりである。

例外は恐らく殺人癖によって追い詰められ、切り抜けた経験が何度もある吉良吉影シアーハートアタックと、DIOとの最終戦で怒りを爆発させた空条承太郎のスタープラチナ・ザ・ワールドが進化と言って良い成長をしている。

では、スタンドの進化はなぜ可逆的なのだろうか?
これは人の心の成長が一方向ではなく多面的であることを表していると思われる。

冒険を乗り越え、心の成長を果たしたとしても、それは広瀬康一の一面に過ぎず、普段の広瀬康一がいなくなったわけではない。

その経験と心の状態がバージョンとしてエコーズを存在させるので、平静時の心に切り替えれば、より負荷の少ないACT1を出せるようである。


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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