【スタンド考察】吉良吉影のアナザーワン バイツァ・ダストを解説!

バイツァ・ダスト/Bite the Dust

キラークイーン第3の爆弾、バイツァ・ダスト(BITE THE DUST 負けて死ね)

【警告】これより先は独自解釈を許容できるものしか読んではいけない。







アナザーワン バイツァ・ダスト
本体名:吉良吉影

バイツァ・ダストに目覚めてハイになってる吉良吉影


キラークイーン第3の爆弾

吉良吉影が追い詰められた時に、吉良吉廣の「矢」が突き刺さることで発言したスタンド。
元ネタはイギリスのロックバンド、QUEENの楽曲、Another One Bites the Dustから。

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能力は「吉良吉影の正体を訊ねた人物を爆殺して、さらに1時間前に時間を巻き戻す、他人に仕掛ける地雷」。



キラークイーン第2の爆弾、シアーハートアタックスタープラチナのスターフィンガー、マジシャンズレッドの生命探知機のように、キラークイーンの技の一つ

ただ、「矢」が絶望した吉良吉影に刺さることで、その精神の鋳型、願望を参照した強大な能力として発現している

この第3の爆弾、アナザーワン バイツァ・ダストは吉良吉影のスタンドであるキラークイーンを他人に設置する能力である。

キラークイーンを設置された人物に吉良吉影のことを訊ねると、地雷であるバイツァ・ダストが発動する。
バイツァ・ダストはキラークイーン第1の爆弾と異なり、訊ねた人物がキラークイーンに触れられていなくとも、訊いただけで発動する。

バイツァ・ダストが発動すると、体内から爆発させられて吹っ飛び、死亡する。

そして、ここでバイツァ・ダストの真の能力が発動する。
バイツァ・ダストが発動して、吉良吉影を知ろうとする何者かを爆殺すると、バイツァ・ダストを設置された人物の時間が1時間巻き戻る。

作中では、川尻早人にバイツァ・ダストが仕掛けられ、岸辺露伴が午前8:30に爆殺された。
その瞬間、川尻早人は午前7:30に時間が巻き戻っていることに気づく。

ただ時間が巻き戻るだけなら、川尻早人がしたように誰かが死ぬのを避けるようにすれば良い。
しかし、バイツァ・ダストは恐ろしいことに、一度爆発したものは時間が巻き戻ってもまた爆発するのである

破壊されたものは時間が巻き戻っても破壊される運命


すなわち、2度目の朝8:30を迎えて、岸辺露伴との接触を避けた川尻早人であるが、岸辺露伴は前の朝と同じ時刻になった瞬間、突然爆発して死んでしまうのである。

そして、また別の人物が吉良吉影のことを探ると、バイツァ・ダストは発動してその人物を爆殺し、時間を巻き戻す。
こうして、バイツァ・ダストは本体の吉良吉影を探るものを自動的に、本体の関知しないところで排除し続ける。

吉良吉影の正体を知る人物にバイツァ・ダストを仕掛けることで、口止めをしながらも、正体を探る者も同時に爆殺する。
しかも、本体はそのことに一切関与しない。
知らないうちに誰かが死んでいく。
まさにバイツァ・ダストは吉良吉影が心動かさず、静かに暮らすためのスタンドである。




爆弾付きの過去への情報送信

能力の本質は「因果と記憶を過去へ送信する感染型地雷」。

バイツァ・ダストは「矢」に再び刺されて発現したスタンド能力なだけあり、強烈な能力である。
チープ・トリックのように特定の行動をトリガーとして発動する爆弾能力と、1時間の時間遡行能力という、強力な2つの能力だ。

これらの発動条件は複雑なので、吉良吉影の正体を知って、バイツァ・ダストが作動する作動時と、キラークイーンを取り憑かせる発現時でわけて考察する。


バイツァ・ダスト作動時の動き


標的となる人物にキラークイーンを取り憑かせた状態が第3の爆弾、バイツァ・ダストである。以降、地雷としてキラークイーンを取り憑かせる人物を対象(作中では早人)と呼ぶ。

能力の流れを下記に示し、その順番に解説していく。
1.対象にキラークイーンを取り憑かせる。対象をキラークイーンの仮の本体とする。
2.バイツァ・ダスト作動開始。作動開始時点からの本体の記憶をコピーして記録する。
3.バイツァ・ダスト起爆。過去のバイツァ・ダストに記録を送信する。

1.対象にキラークイーンを取り憑かせる。
これはバイツァ・ダスト発現時の動作でもある。
バイツァ・ダストを発現し、対象にキラークイーンを取り憑かせることはこの時しかできず、また吉良吉影自身も自在に発現できるわけではない。
この詳細は発現時の解説にて後述する。

バイツァ・ダスト発現時には必ず対象となる人物が存在する。
この対象にキラークイーンは取り憑く。
こうなると、吉良吉影のそばにキラークイーンは存在しなくなり、対象に小型のキラークイーンが付いて回ることになる。
この小型キラークイーンは吉良吉影から一旦離れてスタンドアローンとなっており、吉良吉影と感覚を共有しない。

そして小型キラークイーンは対象に寄生して、対象を仮の本体としてしまう。

2.バイツァ・ダスト作動開始。
小型キラークイーンが対象を仮の本体とすると同時にバイツァ・ダストは作動開始する。
まず小型キラークイーンは仮の本体して寄生している対象のリアルタイムな記憶の記録を開始する。

バイツァ・ダストとはトリガーとなる情報を知ることで感染するミーム因子型スタンド爆弾である。

例えば、チープ・トリックは「背中を見る」ことで「魂の器」に感染するスタンドウイルスであった。
これと似ていて、バイツァ・ダストは対象から「吉良吉影の正体を引き出す」ことをトリガーとして、訊いた人物の「知性」を爆弾化するコードを送信して爆弾化、内側から爆殺して消滅させる。

吉良吉影という情報がミームとして伝わるだけで、爆弾に感染するのである。

吉良吉影の正体が殺人鬼である、吉良吉影は川尻浩作になりすましている、といった情報が伝達するだけでバイツァ・ダストは作動すると思われる。
複数人が同時に探ったり、正体を知っても同時に感染する。
口頭に限らず、書面や電話でも伝われば遠隔地であってもバイツァ・ダストは作動するため、作中でも川尻早人は電話による救援要請が行えなかった。

また、トリガーとなる情報を意図的に伝えなくとも、ヘブンズ・ドアーのようなスタンド能力で情報を引き出したり、憑依しているキラークイーンをスタンド使いが目撃してもバイツァ・ダストは作動する。

吉良吉影の正体を知ったり、ヘブンズ・ドアーで調べてもバイツァ・ダストは発動する!

ただし、トリガーとなる情報はミームとして機能する必要があるため、吉良吉影という言葉が人物名であり、誰であるか予測がつく人物や、杜王町に潜む殺人鬼と推測できる人物にしか作動しない。

3.バイツァ・ダスト起爆。
吉良吉影のことを訊き出すことでバイツァ・ダストは起爆する。
バイツァ・ダストで吉良吉影を知るものを爆殺した後、1時間の時間遡行が起きる。
ただし、これはタイムトラベルではなくタイムリープである。
タイムトラベルである場合、対象が過去へと飛び、1時間前の対象と現在から来た対象の2人が世界に存在することになるが、バイツァ・ダストではこれは起きない。
対象の記憶、つまり主観が1時間前にタイムスリップするのである。

そして、例えどんなに強力なスタンド能力といえど、一個人の能力で世界全体、宇宙全体の時間を1時間巻き戻すようなことはできない。

とはいえ、「矢」によって再度貫かれるという異例の事態で発現したバイツァ・ダストは通常のスタンド能力よりも「生命エネルギー」の量、スタンドパワーが段違いである。

つまり、その強力なスタンドパワーによってバイツァ・ダストは吉良吉影を探るものを爆殺し、有り余るエネルギーでさらに対象の記憶を1時間前のバイツァ・ダストに送っているのである。

バイツァ・ダストが起爆すると、1時間前のバイツァ・ダストに本体の1時間分の記憶が時間を遡って送られる。
これにより、1時間前の対象は突如、取り憑いている小型キラークイーンを通して1時間の間に起きた出来事の記憶を得て、自身が吉良吉影を探るものを爆殺して来たことに気づく、というわけである。

この記憶の時間遡行は現在のバイツァ・ダストから過去のバイツァ・ダストへ向かって起こっているため、記憶の持ち越しは対象にしか起きない。
そして、1時間前の世界の人物やものの流れ、記憶は過去通り、境界条件は変わらなため、対象を除いて世界はバイツァ・ダスト作動前の1時間とほぼ同じ通りに動く。
ニュースキャスターの放送事故、雨の降り出す時間、間違い電話の鳴るタイミングなどは変わることなく起きる。

この段階では対象はただ妙に具体的な未来の白昼夢や幻覚を見ているだけ、超具体的なデジャヴを感じるだけ、とも言える状態である。

対象は記憶を持ち越しているため、過去と違う選択と行動を意図的に行う事ができる。
これは「運命」を自由に変えられるかのように思われるが、ジョジョ世界において「運命」の縛りは強い。
「運命」は変えられないのである。

特にこの時間遡行において「運命」が確定し、何度戻っても必ず起きる事象がある。
それは
①「バイツァ・ダスト」と「対象(作中では早人)」の時間遡行者2人が観察したこと
②バイツァ・ダストによる爆殺
の2個の条件をどちらか満たしている事象である。

①は早人の記憶をヘブンズ・ドアーで読んだときのように、未来で起きることを観察していることは必ず起きる、というものである。
時間遡行者2人以上の観察があることで、事実として運命に固定されるのだろう。

逆に言うと、バイツァ・ダストを解除することで時間遡行者の観察が早人1人になるため、事象が起きなくなる。

②はわかりやすく因果関係のためである。
岸辺露伴を爆殺することで過去に戻っているため、時間遡行しているが故にその現実は固定されて必ず爆殺される。

逆に言うと、バイツァ・ダストによる爆殺でなければ因果関係を崩すことはないため、キラークイーンによって事故死に見せかけられた早人の死は起きなかったことにできている。

対象に吉良吉影の正体を訊ねた者はバイツァ・ダストで爆殺される。
この爆殺という事象を「バイツァ・ダスト」と「対象」の2人は「観察」し、その記憶を過去のバイツァ・ダストと対象に送信する。

これにより、例えば岸辺露伴が爆殺したという事象は「事実」として「運命」に刻み込まれる。
バイツァ・ダストで過去に記憶が送られたという「結果」は爆殺が起きたという「原因」によって成り立つため、この爆殺は必ず起きなければならないからだ。
言い換えると、対象とバイツァ・ダストが起こした行動の因果は過去に持ち越されている、とも言える。

対象の行動は運命に刻み込まれているため、対象が前の1時間で行わなかった行動を取り、過去改変をしたとしても、対象が1時間過去にいるという結果が既にあるため、その原因となる事象(=爆殺)は「必ず起きる」。
ジョジョ世界において運命は変えられないために、バイツァ・ダストの爆発は確実に発生する。

キラークイーン バイツァ・ダストの中では、一度起きたことは必ず起きる運命。時間の絶対点というのがあるのだろう

作中でも川尻早人が「観察」した事象は何度ループしても発生している。
例えば原因は違えどウェッジウッドの皿は割れ、吉良吉影は川尻早人に帽子をかぶせにくる。

さらに、川尻早人とバイツァ・ダストが「関与」した事象は原因が無くとも結果が必ず引き起こされる。
すなわち、ヘブンズ・ドアーで攻撃されなくとも川尻早人は時間になると「本」にされ、前回のループで爆殺された岸辺露伴は時間になると自動的に爆殺される。

「観察」した内容はジョジョ世界の「運命」によって起きやすい傾向があるに留まるが、「関与」した内容は対象とバイツァ・ダストの「運命」として必ず起きる。
このため、バイツァ・ダストが作動してループするほど、吉良吉影の秘密を守りながら、その秘密を探るものを始末できる。
このため、吉良吉影を探っていた主人公チームは川尻早人に「関与」し、全滅しかけている。

まさかの主人公チーム全員がバイツァ・ダストの餌食に

主人公チーム全滅!読者を絶望に叩き込んだ見開き

バイツァ・ダストで過去に戻ることで、結果が原因よりも先に起こるという因果の逆転が起きる。

この「因果の持ち越し」はバイツァ・ダストが取り憑いた瞬間から、バイツァ・ダストが「因果」をそのスタンド体に記録しているために起きる。
最大の記録時間が遡って1時間なのである。
これはバイツァ・ダスト作動時に必ず成立する条件であるが、後述する発現時には成立しない。


ちなみに、秘密を探るものを始末するだけならタイムリープする必要はない。
そのまま秘密を探るものをどんどん殺せば良いだけである。
なぜ、ループするのかというと、一つはバイツァ・ダストの発現時の能力の延長だから、だろう。
後述するが、バイツァ・ダスト発現時の能力が吉良吉影の願望を1番に表している。
もう一つは、ループすることで秘密を探るものが突如爆殺することになり、吉良吉影の正体から遠のくためである。
対象が爆殺と無関係と思われていれば、それだけ吉良吉影は静かに過ごせるのである。

「因果」の持ち越しはバイツァ・ダストを解除するまで繰り返される。
繰り返すほど、バイツァ・ダストは関係者を遠くから爆発できるわけだが、その爆殺の時間が来る前にバイツァ・ダストを解除すると、記録されて繰り返していた全ての「因果」は消え去る。

バイツァ・ダストが解除されることで、爆殺して過去に戻ってきたという事実が消え去るため、爆発が起きなくなる。
その他もろもろのバイツァ・ダストと早人の観察した事象もバイツァ・ダストの記録が消えるため、早人の白昼夢に成り下がり、運命を変えることがなくなる。
ジョジョ世界の「運命」の進行に戻されるのである。

キラークイーンを本体に戻すことでバイツァ・ダストを解除。運命は新たに刻み始める



バイツァ・ダスト発現時の動き


バイツァ・ダストは目撃者を殺さなければ正体が露見するが、目撃者を殺しても空条承太郎たちに見つかる、というどうしようもない「板挟み」から逃れるために発現した能力である。

何かしてもしなくても正体が露見するという絶望がバイツァ・ダストを発現

この絶望的な状況から過去へ逃れ、過去改変することこそ、バイツァ・ダスト発現時の吉良吉影の願いである。

よって、バイツァ・ダスト発現時の能力は、吉良吉影の正体を知った者を依代として起爆し、過去1時間の時間遡行をするものである。
そして、依代となった人物にキラークイーンが憑依する。

作動時の能力と微妙に異なるため、ジョジョ読者の中で混乱が起きるポイントである。

作動時と同様に能力の流れを整理する。
1.バイツァ・ダスト発現。対象を設定する。
2.起爆により時間遡行。過去のキラークイーンへと情報送信する。
3.対象に設定した人物へキラークイーンを取り憑かせる。

1.バイツァ・ダスト発現。
過去改変し、さらに邪魔者を自動的に始末するバイツァ・ダストであるが、発現させること自体が困難である。
矢に再度刺されることで進化したバイツァ・ダストであるが、進退極まる絶望が発現のトリガーとなっている。

整理すると、バイツァ・ダスト発言の条件は、
吉良吉影が自分の正体がどうあっても露見してしまうと追い詰められていて、
スタンド使いではない人間がキラークイーンの射程距離内にいるとき、
発現させることができる。

発現条件はかなりシビアで作中でも、早人を殺してしまった一度だけしか発現していない。
仗助に追い詰められた際も、近くにいた女性に自身の正体をバラして意図的に発現させようとしていたが、これで本当に発現していたかも不明なままである。

バイツァ・ダストが発現すると、吉良吉影の正体を知ってしまった一般人をバイツァ・ダストの対象としてロックする。
作中では死亡済みの(ただし過去に戻れば生きている)早人がこれに当たる。

2.起爆により時間遡行。
対象をロックした上で、バイツァ・ダストが起爆する。
発現時は誰かを爆殺するのではなく、時空を吹き飛ばし、過去のキラークイーンへと情報を送信する。

発現時は対象の記憶ではなく吉良吉影の記憶を保持したバイツァ・ダストが時間遡行する。

バイツァ・ダスト作動時にはバイツァ・ダストは対象と共にいるため、対象の記憶を保持して過去に遡る。
しかし、バイツァ・ダスト発現時は吉良吉影本体の記憶を保持して、バイツァ・ダストが過去のキラークイーンに向かって時間遡行する。
発現時はバイツァ・ダスト自身が時間遡行するのである。

これは「矢」に貫かれてバイツァ・ダストに目覚めたあとに、時間遡行した吉良吉影がバイツァ・ダストの能力を持ち続けていることからも伺える。
過去の吉良吉影はバイツァ・ダストの能力を持っていないにも関わらず、早人にはバイツァ・ダストが取り憑いている。
恐らく、バイツァ・ダストは過去のキラークイーンに向かって時間遡行することで、過去の吉良吉影をバイツァ・ダストに覚醒させている。

キラークイーンはバイツァ・ダストに覚醒し、さらに未来の情報を吉良吉影に共有する。
これにより吉良は焦って早人を殺害することを取りやめ、バイツァ・ダストを設置して安心して朝まで過ごす、というわけだ。

絶望の中の執着心、生への渇望がより強いスタンドを生み出す

バイツァ・ダストは「目撃者」を始末することもできず、放置することも出来ない「板挟み」になって深く絶望することで発現する。

作動時の説明で述べているが、破壊されたもの、殺害されたものがそのようになるのは、
バイツァ・ダストと対象の2人が観察して過去に飛んだとき、
またはバイツァ・ダストが爆殺したとき、
の2条件のみである。

バイツァ・ダストの発現時は吉良吉影の記憶しか送信されないため、観察者は1人。
さらに早人の殺害はキラークイーン第1の爆弾で行われており、第3の爆弾バイツァ・ダストではない。

このため、早人は時間遡行で生き返る。

これは過去改変を行い、殺した人物を死ななかったことにし、危機を回避まで出来るとんでもない能力である。
バイツァ・ダストの能力は複雑で混乱しがちであるが、条件を分類していけば理解しやすい。

ラストで吉良吉影が2回目のバイツァ・ダスト発現をしようとしていた。
もしこれが成功したとすると、まず一般人女性にキラークイーンが取り憑く。
その瞬間、川尻浩作の正体が吉良吉影と知る、あの場にいた仗助、億泰、早人、露伴、承太郎、康一全員の爆殺とバイツァ・ダスト発現による時間遡行が同時に起きる。
まさに吉良吉影の起死回生の策だろう。
生き返るのは第1の爆弾で始末された梨央ちゃんの隣人だけだろう。

3.対象に設定した人物へキラークイーンを取り憑かせる。
時間遡行をしたあとのバイツァ・ダストはどこへ行ったのだろうか?

これはもう推察であるが、過去に遡行したバイツァ・ダスト(の情報)はまず過去のキラークイーンと融合したのではないか。
キラークイーンと融合した瞬間にバイツァ・ダストが覚醒するのか、再び吉良が矢に刺されるのか不明であるが、結果的にキラークイーンはバイツァ・ダストに覚醒する。

ここで、吉良吉影は未来の情報をもとに、早人を殺すとより追い込まれると知り、早人にキラークイーンを取り憑かせる。
バイツァ・ダストら絶望がトリガーとなって発現する。
過去の時点でもう一度絶望しないと取り憑かせられないとは考えにくいので、おそらく1.の発現時にターゲットロックした人物にのみバイツァ・ダストを設置できるのだろう。

これ以降、バイツァ・ダストの挙動は作動時のものに切り替わる。



ループものの作品で有名なシュタインズゲートで例えると、バイツァ・ダスト作動は世界線を移動せず、何度も何度も因果を書き加えているようなものである。
対して、バイツァ・ダスト発現は世界線を移動して、完全に過去を変えられる。

世界線を移動してきた吉良吉影は、第三者から見れば、追い詰められた1時間後の世界、という妄想か白昼夢を突如記憶に植え付けられた狂人にしか見えないだろう。





バイツァ・ダストはレクイエムなのか?

吉良吉影が絶望的な状況に追い込まれ、2度目の「矢」に刺されることによって発現したバイツァ・ダスト。

ファンの中でも議論に良くなるが、バイツァ・ダストはレクイエムではないのか?
第5部に登場するゴールド・エクスペリエンス・レクイエムシルバーチャリオッツ・レクイエムはスタンドに「矢」を刺すことで発現している。

矢に再び刺されて発現したバイツァ・ダストはレクイエムではないのか?

レクイエムについては下記の記事を参照して欲しい。



作中の描写を見ても、スタンドをレクイエム化するには十分な強さのスタンド使いであることと、スタンドに「矢」を刺すことのみが条件であるように見える。

本考察では、レクイエム化はレクイエムの矢でなければならないのではないか、と考えている。
詳しいことは上述の記事に記載しているが、では吉良吉影に刺さったのはレクイエムの矢ではなかったのか?というと不明である。

ただ、レクイエムは元のスタンドと別次元の全く違う能力となっている。
比べて、バイツァ・ダストはキラークイーンが感染型の爆弾に進化したように見える。
わざわざアナザーワン バイツァ・ダストというくらいだから、もう一つのキラークイーン、というところか。

吉良吉影の「魂の器」が再度穿たれ、大量の「生命エネルギー」を放出したことで覚醒した能力がバイツァ・ダストである、と本考察では結論する。
レクイエムのように「集合無意識」にアクセスはしていない、単純にキラークイーンのもう一つの進化形であろう。

なお、バイツァ・ダストはキラークイーンやシアーハートアタックとは比べ物にならないくらいの鬱屈したエネルギーを必要とする。

そのため、本体が絶望する必要があり、十分な鬱屈したエネルギーが溜まると発現する。
このため、東方仗助と川尻早人に追い詰められた吉良吉影は自身の正体を捕らえた女性にしゃべることで人為的に絶望する状況に自身を追い込んだ。
ただ、これが本当にバイツァ・ダストを発動できるのに十分だったのかは、不明である。

いいや!限界だ、押すね!今だッ


追い込まれ、絶望しながらも対策して乗り越えてくる前向きな殺人鬼吉良吉影のとんでもない能力。
個人的な性癖で殺人するという幸せのために世界の「運命」を書き換える能力。

ジョジョのラスボスは自身の欲望のために「運命」と対峙する。
諦めの悪い、自分を信じ抜く、まるで主人公のような性格のこの一風変わったサラリーマンのラスボスだからこそ、第4部の締めとしてふさわしい。


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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2 件のコメント:

  1. SECRET: 0
    PASS:
    クイーンはイギリスのバンドな

    返信削除
  2. SECRET: 0
    PASS:
    ��Coca.NZ-2さん
    ありがとうございます!
    アメリカ→イギリスに修正しましたヾ(@°▽°@)ノ

    返信削除

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