【スタンド考察】フェルディナンド博士のスケアリーモンスターズを解説!

スケアリーモンスターズ/Scary Monsters

破壊力:B
スピード:B
射程距離:D
持続力:A
精密動作性:C
成長性:B

フェルディナンド博士のスケアリーモンスターズ
スケアリーモンスターズ

スケアリーモンスターズ

本体名:フェルディナンド博士

フェルディナンド博士

恐竜の世界

破壊力:B
スピード:B
射程距離:D
持続力:A
精密動作性:C
成長性:B

ジョジョ7部、SBRに登場する大統領の刺客、フェルディナンド博士のスタンド。
スタンド名の元ネタはイギリスのロックミュージシャン、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のアルバム、スケアリー・モンスターズ(Scary Monsters)から。
本体名の元ネタはスコットランドのロックバンド、フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)から。


能力は「自分以外の生物を恐竜化させる」。

傷つけた生き物に感染し、その生き物を自分に従う恐竜に変えてしまう能力顕現型スタンド。

スケアリーモンスターズに感染すると、皮膚がカサカサと乾燥して鱗状に変化し始め、尻尾が生えていき、二足歩行の恐竜人類のような姿を経て、最終的に完全な恐竜の姿となる。
この際、パワー、スピード共に飛躍的に増大する。
また嗅覚も発達し始めるが、逆に視覚は人間の視覚から変質していく。

パワー、スピード共に強化された恐竜化Dio

例えば犬の視覚は赤と緑を見分けられない。
人間ほどピントを調節する能力はないため、静止しているものをしっかり見る力は弱く、ボヤけて見えている。
しかし、犬は動くものに対しては非常に鋭敏な視覚を有する。

スケアリーモンスターズで恐竜化した生き物も犬のような狩猟生物と似て、視力は悪いが視野は広く、そして動体視力が非常に高くなるようである。
作中でも銃による射撃を、銃弾が発射されてから反応して躱している。

動体視力と反射神経で射撃も発射してから見てかわす

恐竜化すると、鉄球や銃撃に反応し、回避するほどの動体視力、反射神経、スピードを得るが、逆に動かないものはほぼ認識できないほど視力は低下する。
また、恐竜となるとその知能は低下し、おそらく犬程度となる。
フェルディナンド博士の指示には絶対従うことはできるが、複雑なことは理解できてはいない状態だ。


また、スケアリーモンスターズで恐竜化したものに傷つけられると、傷つけられた側も恐竜になってしまう。
そして、恐竜になったものは全てフェルディナンド博士の忠実な僕となる。
スケアリーモンスターズの能力の射程範囲は小さな村一つ分はあると思われる。
このため、一夜にしてスティール・ボール・ランの第3ステージ中継ポイントの村人は全員恐竜となって、フェルディナンド博士の支配下に置かれた。

フェルディナンド博士は恐竜化のスタンド能力を持つが、恐竜自体は「大地」や「聖なるもの」への敬意がない唾棄すべき生き物だと思っている。
このため、フェルディナンド博士は恐竜の司令塔にはなるが、スケアリーモンスターズによって自身を恐竜化することは出来ない。

なお、スケアリーモンスターズの対象は人間に限らず、ネズミやクーガーなども作中では恐竜化している。
さらにこの恐竜化は肉体さえあれば死体にも影響を及ぼすらしく、死んだばかりの熊の死体すらも恐竜化した。
Dioや村人たちはラプトルのような容姿の恐竜に、熊はティラノサウルスのような恐竜に、そしてネズミは小型の腐肉を漁る恐竜へと変化している。
この小型恐竜は小便で匂いをつけて追跡してくる。
そしてこの小型恐竜を追ってラプトルが襲いかかる、連携プレイもしてくるのである。

なお、恐竜化にはある程度時間がかかり、「聖人の遺体」を持っている場合は恐竜化の進行を抑制できるようだ。
作中でもジョニィはある程度以上の恐竜化は進行せず、遺体を手に入れたジャイロやDioも恐竜から人間に戻っている。

最後に、スケアリーモンスターズは解除されれば、人間も動物もその場で元通りに戻れるようだ。





恐竜版ゾンビウイルス

能力の本質は「知性を糧に肉体を恐竜化させるスタンドゾンビウイルス」。

スケアリーモンスターズは肉体に寄生して強制変化させるスタンドウイルスを発生させる能力顕現・身体拡張型スタンド。
荒木先生の好きなゾンビ映画のゾンビ、またはジョジョ第1部の石仮面の吸血鬼とゾンビを模しており、ここでは特にゾンビウイルスとして考察していく。

恐竜軍団を率いるDioとGo!ジョニィGo!

スケアリーモンスターズは「魂の器」を形成する「知性」に感染するスタンドウイルスである。
ジョジョ世界において、肉体を形成する「知性」や「魂の器」が変形・変質すると肉体へのフィードバックが行われる。
逆に肉体の変化が知性や魂へと影響も与える。
このように「知性」と「肉体」の相互関係が密接な世界となっている。

「魂の器」に感染し、感染者の疑似スタンドになるチープ・トリックや「知性」を修復することで肉体を治すクレイジー・ダイヤモンドなどが分かりやすい例である。

スケアリーモンスターズの場合、標的の傷口から入り込んだスタンドウイルスは、肉体を形成する知性の構造情報を変質させる。
このように、他者に寄生してその肉体を拡張するのはトーキング・ヘッドと似たタイプと言える。

本体のフェルディナンド博士が持つ古代生物の知識と「大地の記憶」に残存する「太古の世界」を参照しながら、標的の構造情報を書き換えてしまう。
このたき、同時に狩猟本能も書き込まれている。

この書き換え作業は数秒から数分で行われる。
知性の構造情報を書き換えられた感染者は、フェルディナンド博士が考える恐竜という形に肉体をフィードバックさせて変化させる。
この時、どうやら衣服も表皮、鱗の一部として取り込んでいるらしく、恐竜化から戻っても全裸ということはないようだ。
なお、フェルディナンド博士の考える恐竜は当時の恐竜像よりも革新的であり、現在イメージされているような前傾姿勢で素早く移動して狩りをする、ジュラシックパークに登場するような恐竜像である。

そして、これに用いられるスタンドエネルギーは標的の「魂の器」の「自由意志」や「自立した精神」といった箇所を食い尽くし、糧にすることで発生させている。

このため、スケアリーモンスターズによる恐竜は本能を抑制され、生物として当然の食欲などを控えた状態で兵士のごとく命令を待つようになる。

もちろん、命令はスケアリーモンスターズの本体のフェルディナンド博士から発せられる。
口頭だけでなく、スタンド能力の念話によっても命令は可能であり、この場合は他のスタンド使いには聴き取れない形で暗号化されるようである。

なお、スケアリーモンスターズのスタンドウイルスはゾンビウイルスと同様に死体にも感染して発現する。
本来、ウイルスは生きた細胞に感染するものである。
死んだ細胞ではリボソームも壊れてしまうため、増殖することが出来ず、死体に感染など有り得ない。
しかし、スケアリーモンスターズのスタンドウイルスは死体にその「知性」が少しでも残されていれば感染できる。
そして、恐竜としての狩猟本能を書き込まれて、動き出す。


また、スケアリーモンスターズによる「自由意志」の侵食をある程度に留めることで、リーダー個体を創り出すことができる。
作中ではDioがリーダー個体にされていた。
このとき、恐竜となった身体には「Dio」の文字が連なっているが、これがリーダー個体の証なのかもしれない。
また、スケアリーモンスターズの恐竜化自体も半端に留めることで、二足歩行の恐竜人類のような形態を創り出している。

二足歩行恐竜人類Dio

リーダー個体は理性や判断力を残すようにウイルスに侵食させるため、恐竜化するまで時間が通常よりもかかり、本体の支配下に完全に置くまでは不安定となるようだ。
が、それを越えて恐竜化が完了すると、本体のフェルディナンド博士に忠実でありながらその場の判断を下すことができ、さらに他の恐竜に指示をすることも出来るようになる。
他にも恐竜同士は同士討ちのないように、本能を抑制されて争い合うことはないが、リーダー個体は統制するために支配下の恐竜を攻撃することも出来る。
そのうえ、この支配下の恐竜は兵士のごとく叱責を受け入れ、避けることもさせない。

支配下の恐竜を蹴落として崖を渡るDio

このような特権も使い、Dioはレース参加者ではないフェルディナンド博士に代わってジョニィとジャイロを追い詰め、さらに新たな「聖人の遺体」の両眼を見つけ出している。


最後に、スケアリーモンスターズは一番最初の感染源をどうやって作るかについて述べる。
これまで、スケアリーモンスターズは恐竜化したものから傷付けられることでゾンビのごとく感染者を増やすと述べてきた。

作中でもリーダー個体のディエゴや野生のクーガーを使って村人を恐竜化させている。
ではそのDioやクーガーはどうやって恐竜にしたのか?
7部以降のスタンドは近距離パワー型のスタンド体を持つものは少ない。
スケアリーモンスターズも能力顕現型であり、本体も恐竜化させないため、野生の生き物を本体のフェルディナンド博士が傷付けるのはかなり困難である。

その答えはスタンド像にある。
フェルディナンド博士のスケアリーモンスターズのスタンド像はDioが倒れ伏している場所にあった恐竜の化石である。
大地に半ば埋まった恐竜の化石という「大地の記憶」、「恐竜の世界」と結びついた像こそがスケアリーモンスターズのスタンド像である。

うずくまるDioの下に、化石の形をしたスケアリーモンスターズのスタンド像

これを地面に仕掛けて転ばせるなどの傷を負わせる、という罠の戦法が最初の恐竜個体を生み出す方法である。
特に第3ステージのロッキー山脈は化石のよく見つかる土地柄、良い罠のカモフラージュとなったはずだ。





大地と聖人の信者

フェルディナンド博士は地質学・古代生物学の学者である。
映画ジュラシック・パークのせいか誤解されている節があるが、恐竜を研究する学問は考古学ではなく古代生物学が正しい。
よって、フェルディナンド博士は正しく恐竜の専門家なのであろう。

スティール・ボール・ランの舞台である一巡後以降の宇宙は我々の世界と微妙に歴史が異なっているが、恐竜についての研究が本格的に始まったのは1800年代初頭である。
1842年にリチャード・オーウェンが初めて恐竜と名付けたところから、フェルディナンド博士はまだまだ学問としても新しい分野の博士だったと思われる。

化石の発掘など、フィールドワークに出ることも多かったフェルディナンド博士であるが、数年前から政府の協力のもとで別の任務を帯びるようになった。
それは「聖人の遺体」の探索である。

尊敬される遺体は千年王国を築く

恐らく大統領は博士に遺体の探索としか伝えていなかったことだろう。
地質学・古代生物学だけでなく、心のうちに大地と神、聖人への畏敬の念を抱いていたフェルディナンド博士は、この遺体が敬意を払われるべき「聖人の遺体」であり、政府が「千年王国」を築くために探索しているとまで気づいていた。
さらに、聖フランシスコ・ザビエルの遺体のことも知っていることなど、どうやら1900年前から腐らず、アメリカ大陸に散逸しているこの遺体が誰なのかも予測がついているようである。

そして、フェルディナンド博士は2年前、遺体探索行をアリゾナで行った際に「悪魔の手のひら」に遭遇してスタンド使いとなる。
悪魔の手のひらの特性ゆえに、自身の知識、技術をスタンド能力として発現させている。

恐竜という最強の攻撃生物が絶滅しているのは何故か?
「聖人の遺体」を所持する国は何故長く繁栄するのか?

そこに博士は「尊敬」が重要であると導き出した。
「大地への敬意」が生物を生き延びさせる。
そして、人類全てに「尊敬される遺体」があれば、人類もまた繁栄するのである。

この理論は合っていたのかもしれない。
しかし、敬意の押し付けではなく、尊敬されるべき気高き人物に遺体は集まるようである。
そこを失念した博士は右眼の遺体を手に入れたジャイロに敗れ去る。

スケアリーモンスターズの能力が切れて襲われるフェルディナンド博士

そして、もう一つ。
フェルディナンド博士のスケアリーモンスターズは、偶然かもしれないが運命を引き寄せてしまう。
太古の化石を現代に恐竜の世界として蘇らせるゾンビウイルスのスケアリーモンスターズは、「一巡前の世界の化石」、ゾンビを増殖させ支配する吸血鬼という運命の残滓を持つDioと「聖人の遺体の左眼球」にコピーされ、「恐竜化する能力」として奪われてしまう。


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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