スケアリーモンスターズ
本体名:ディエゴ・ブランドー
奪う者、Dio
破壊力:B
スピード:B
射程距離:D
持続力:A
精密動作性:C
成長性:B
ジョジョ7部、SBRに登場するジョニィのライバル、ディエゴ・ブランドーのスタンド。
スタンド名の元ネタはイギリスのロック・ミュージシャン、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のアルバム名にもなっている楽曲、スケアリー・モンスターズ(Scary Monsters (and Super Creeps))から。
本体名の元ネタは、アメリカのハードロック・ミュージシャン、ロニー・ジェイムズ・ディオ(Ronnie James Dio)の結成したロックバンド、DIOから。
愛馬シルバーバレットの元ネタはアメリカのシンガーソングライター、ボブ・シーガー率いるバンド、ボブ・シーガー&シルバー・ブレット・バンド(Bob Seger & Silver Bullet Band)から。
能力は「恐竜化と支配」。
本体自身や本体が触れた生物やスタンド体を、恐竜に変える身体拡張型スタンド。
フェルディナンド博士のスタンド、スケアリーモンスターズによって恐竜のリーダー格にさせられていたDioが、聖人の遺体の左眼を手に入れることで自らのスタンド能力として定着、獲得したものと思われる。
これは「遺体」が周囲の環境や技術を取り込み、スタンド能力として定着させる性質によるものである。
回転を取り入れたタスクや投げ縄の技術を取り込んだオー!ロンサム・ミーなどもその例である。
フェルディナンド博士のスケアリーモンスターズは傷からスタンドウイルスが入り込み、フェルディナンド博士の知識を参照した恐竜に対象を強制変化させる能力であった。
Dioが奪ったスケアリーモンスターズはここから変更された点がいくつかある。
まずDioのスケアリーモンスターズは本体の意識を残したまま、恐竜化、恐竜人化することができる。
驚異的な身体能力、スピードを持つ存在へと変身できるのである。
そのパワーは素手で人間を簡単に引き裂き、そのスピードは発射された銃弾を見てから回避するほど。
さらに動体視力にすぐれ、攻撃はほぼ当たらない。
嗅覚にもすぐれており、半径数十メートルの範囲内でどこに誰がいるか嗅ぎ分ける。
ただし、Dioと相対的に止まって見えるものは視界の捉えられなくなる、という恐竜の弱点は残ったままのようだ。
また、Dioのスケアリーモンスターズは生物だけでなく、スタンド体も恐竜化できるようになっている。
スタンドに対しての恐竜化は強制力のあるものではないらしく、共同戦線を張ったサンドマンのイン・ア・サイレント・ウェイのみに発動させている。
上記のイン・ア・サイレント・ウェイの「破壊の文字」を恐竜化した際、とても恐竜には見えない怪物にスタンド体を変身させている。
このことから、Dioのスケアリーモンスターズは恐竜の知識のないDioの想像する恐竜に変身させるものと考えられる。
そして、変身させられた恐竜は全てDioの支配下にあるため、スティール・ボール・ランのレースを一旦無視さえすれば、Dioは多くの強力な手勢でもって敵を追い詰めることができる。
「保護色か?」
能力の本質は「恐ろしき竜への肉体変化させる寄生スタンド」。
Dioのスケアリーモンスターズは、知性を糧にしながら、Dioの考える恐ろしき竜へ自在に肉体を変化させる、身体拡張型スタンド。
フェルディナンド博士は地質学・古生物学の学者であり、恐竜というものを知っているが、Dioはフェルディナンド博士に比べれば恐竜というものをよく知らない。
このため、Dioのスケアリーモンスターズは恐竜っぽい何かであったり、Dioにとって都合の良い生物、竜のような何かに変化させる。
これは恐竜という縛りが無くなった分、強力で馬やネズミ、サンドマンのスタンドを都合よく扱っている。
特にこのサンドマンのスタンド物質を変化させた生物は元ネタのスケアリー・モンスターズのアルバム名にもある超キモい奴ら(Super Creeps)そのものである。
その分、恐竜からの二次感染といった感染力は失われている。
さらに恐竜化のトリガーが対象を傷つけることから触れるだけに切り替わっている。
このことから、Dioのスケアリーモンスターズはスタンドウイルスではなく、他者に寄生して肉体を変化させるトーキング・ヘッドに近い身体拡張型スタンドとなっていると思われる。
この寄生はイン・ア・サイレント・ウェイの化け物に対しても行われているが、通常こういった変化にスタンドは抵抗力が高いため行われない。
これはサンドマンが許可したから出来たことと考えて良いだろう。
スケアリーモンスターズは身体拡張型スタンドになったため、大型の恐竜はせいぜい馬一頭分までしか生み出せなくなっている。
逆に小型の恐竜であれば複数体を生み出せるようだ。
Dioはこれを十分に使いこなしており、多岐にわたる操作を行なっている。
隠密行動中の際には、無力化した相手を保護色の機能を持つ恐竜へと変え、周りから見つからないようにしている。
ここまでは分かる。
すげー分かる。
この先がファンを混乱させるものである。
「保護色か?ランプは好きか?明かりはつかないという意味だが」
このDioのリズムに乗ったセリフ、意味がなかなかに複雑である。
そして、ここでは邪魔な警備兵を恐竜のデザインのランプに変えているのである。
そんなことスケアリーモンスターズで出来るの?という疑問であるが、Dioのスケアリーモンスターズでは可能である。
まず、保護色か?で保護色の能力を持つ恐竜に変える。なぜ疑問形なのかは不明だが。
次に、ランプは好きか?で恐竜の肉と骨、皮膚を作り替えて燭台にしている。
これは前世のディオ・ブランドーがゾンビを改造して人面犬や蛇男ドゥービーを創り出したような悪趣味な人体改造を、スケアリーモンスターズのスタンド能力で行っているのである。
即ち、ランプにしたのではなく、ランプの形に骨肉を無理やり整形しているだけである。
当然、明かりはつかないのである。
吸血鬼ディオの影響
Dioことディエゴは一度スケアリーモンスターズの支配下にあったとはいえ、すぐにスケアリーモンスターズを使いこなしている。
これは一巡した世界でもディエゴが「奪う者」、狡猾で何でもする成り上がり、支配する者という運命を受け継いでいるため、とファンの間では考えられている。
スケアリーモンスターズの恐竜化と支配は吸血鬼ディオのゾンビ化に、恐竜人化によるパワーアップは吸血鬼に非常に似通っているため、ディオの因子がスケアリーモンスターズを定着させたと言うのもあり得る考えである。
なお、彼の愛馬の名前はシルバーバレット、銀の弾丸である。
これは古来より吸血鬼の弱点と言われており、ディオからのオマージュの一つである。
その「運命」から、一巡後の世界においてもジョースター家に関わるDioではあるが、それは基本的にその生い立ちと成り上がり、自分を蔑んだ人間の復讐のためである。
プッチ神父のメイド・イン・ヘブンによってジョースターとの因縁は断たれているため、Dioはジョースターに執着することはない。
代わりに己の野望のためにウェカピポ、ホットパンツと共闘しながら大統領と対立し、敗北、死亡した。
だが、一度死んでなお蘇る「運命」すらも残っていたのか、大統領のD4Cにより別世界から召喚された別のDioは「遺体」の奪還、総取りを目論み、ジョニィを打ち負かす。
ただ、それすらも「運命」の続きなのか、「聖女」ルーシーによって消滅させられてしまう。
第一部からの運命なのか、それとも正義であっても人間讃歌は打ち勝つからなのか。
見事な敵役、Dioの終わりであった。
出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険
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