破壊力:なし
スピード:A
射程距離:なし
持続力:E
精密動作性:なし
成長性:C
マンダム(MANDAM)
本体名:リンゴォ・ロードアゲイン
時を戻す能力
破壊力:なし
スピード:A
射程距離:なし
持続力:E
精密動作性:なし
成長性:C
ジョジョ7部の序盤中ボス的存在、リンゴォ・ロードアゲインがアリゾナ砂漠の「悪魔の手のひら」で獲得したスタンド。
スタンド名の元ネタはアメリカのカントリーシンガー、ジェリー・ウォレス(Jerry Wallace)の楽曲、マンダム〜男の世界〜(原題はLovers Of The World)から。
本体名の元ネタは西部開拓時代の実在の無法者リンゴ・キッドと、アメリカのカントリーシンガー、ウィリー・ネルソン(Willie Nelson)の楽曲であるオン・ザ・ロード・アゲイン(On The Road Again)から。
能力は「6秒だけ時を戻す」。
リンゴォの背面にポンプのような触手で接続されたベルトのバックルと人間の頭部のような形状の能力顕現型スタンド。
大統領の刺客にしてジャイロの良き敵役となっているリンゴォであるが、なんとその能力はこれまでのジョジョシリーズにおいてボスが持っていた時間操作系のスタンド能力。
これには連載時のファンも、もう時間操作能力が出てくるのか、と驚いたものである。
マンダムも他の時間操作系スタンドの例に漏れず、非常に強力な能力である。
本体の腕時計の竜頭を回して秒針を6秒巻き戻すことをトリガーとして、時間を6秒巻き戻す。
これにより、効果範囲内のすべての時間は巻き戻り、その間の移動や行動、怪我なども全て元に戻る。
食らった攻撃もマンダムを発動させれば、巻き戻して無効化できる。
さらに、6秒時は戻るが意識は保ったままであるので、時間を巻き戻した後は次の攻撃を知っている状態で回避することができる。
リンゴォはこの特性を活かして、果樹園にたどり着いた騎手の時間を度々巻き戻して、似た風景の多い果樹園内をいつ曲がったのか分からなくさせ、迷わせていた。
これは大統領の刺客として遺体を回収するための行動であり、さらに狂気のガンマンであるリンゴォの生き方である命を賭けた対決を強要させるためである。
非常に強力なスタンド能力であるが、リンゴォは自身が狂信的に信じる対決を行うため、不意打ちなどを仕切り直すためだけにしかマンダムを使用しない。
なお、マンダムの能力の射程距離は果樹園を覆う程度なので、半径100メートル程度と思われる。
6秒の加速先行
真の能力は「6秒分の意識加速フィールド」。
まず、このスタンド能力の元ネタは日本の化粧品会社マンダムのCMでの逸話である。
男臭さを全面に押し出した名優チャールズ・ブロンソンが、「荒野の七人」のような姿で「うーん、マンダム」というCMで、これは非常に有名になった。
さて、このCM撮影時にスケジュールが押してしまい、撮影が困難になった際、ブロンソンが自身の腕時計の時間を巻き戻し、「まだ時間はあるぞ、撮影を続けよう」という旨を話したというエピソードがマンダムの元ネタとされている。
時間操作系のスタンドがもし、本当に時を操作しているなら、全宇宙の時間を操作していることになる。
マンダムが6秒間の時を戻していると、能力の射程距離外と時間の差が生まれるため、実際には時間操作をしていない、と考察する。
ヒントはゴールド・エクスペリエンスがブチャラティを殴って、感覚が暴走したシーンである。
ゴールド・エクスペリエンスによって生命エネルギーを注ぎ込まれたブチャラティはガソリンを注入されたかのごとく感覚が加速して、いつも以上に早く動いている気になっていた。
しかし、身体は感覚の加速に追いつかず、ゆっくりと動いている途中であった。
これと同じ現象を能力の射程距離範囲内全体に引き起こすのがマンダムである。
リンゴォがマンダムを発動すると、能力の射程距離である半径100メートル範囲内は感覚加速状態に入る。
この状態はゴールド・エクスペリエンスを食らったブチャラティのように感覚が加速し、意識と身体の動きに乖離が発生してしまう。
これは時間にしてきっかり6秒、意識の方が先行している状態になる。
が、意識が行動したことを身体も必ず6秒後に行うため、特に問題も起きない。
マンダムの効果は本体や射程距離内の全ての生物に影響を与えるため、全員の意識だけ少し早く行動する以外は何も変わらないのである。
例えばブチャラティはブチャラティだけが意識加速しており、ジョルノは加速していなかったため、ジョルノのパンチを咄嗟に回避することができなかった。
これが、互いに意識加速していれば意識と身体の行動は時間差はあれど同一となるため、ブチャラティも対応できていたはずである。
射程距離内の全員の意識が6秒先行している状態で、リンゴォが腕時計の竜頭を回すとマンダムが解除される。
まるで膨らみきって緊張みなぎる風船の空気が抜けるようにして、マンダムは射程距離内の感覚加速を解く。
再度、マンダムに十分なスタンドエネルギーが貯まり、感覚加速を発動させるには6秒の時間が必要となる。
マンダムが解除された瞬間、意識は6秒前の行動をしている最中の身体に同期する。
このため、時間が6秒巻き戻ったように感じるのである。
先行した意識の中で戦闘をし、傷ついた場合でも、実際の身体は怪我をまだ負っていないため、マンダムが解除されると傷が回復する(そもそも傷は負っていないのだが)。
マンダムが能力を発動して、意識加速をし始める際に対象が意識を集中しているなどしていると、意識加速のスピードがマンダムの効果よりも速くなってしまう場合がある。
この場合、まるで白昼で予知夢を見ているかのごとく、自分がこれからする行動のイメージが明確に現れる。
ジャイロがリンゴォと対面した際に起きたのはこれである。
また、マンダムが解除される際に、本来なら意識は身体と同期するはずが、意識が混乱して数秒同期しないことがある。
この場合、身体は意識加速時にした行動をそのまま行おうとするため、意識は数秒の間、自分が6秒前にした行動を繰り返そうとしている自分を客観的に眺めることになる。
ホット・パンツがリンゴォを不意打ちで襲撃した際の出来事はこれに当たる。
逃れようのない非常に強力なスタンドであるが、リンゴォはこれを「公正な決闘」を行うためだけに使用する。
公正さと男の世界
リンゴォ・ロードアゲインは生まれつき身体が弱く、ちょっとしたことでも皮膚を切り出血してしまう脆弱な体質であった。
さらに傷口からの感染も多かったのか病気がちであった。
しかし、リンゴォが軍人崩れに母親を殺害され、自身も襲われるという事件をきっかけに、彼の生き方は大きく変わる。
その軍人崩れと命をかけた殺し合いをし、拳銃によって正当な勝利を得たリンゴォは崇高な精神と精気のみなぎる肉体へと成長を感じたようだ。
以降、リンゴォは他者に「公正な決闘」を仕掛け、常にギリギリの中で勝利するという狂気のガンマンとして生き続けている。
そして3年前にアリゾナ砂漠で悪魔の手のひらに接触し、マンダムを発現している。
リンゴォは「公正な決闘」こそが自分を脆弱体質から脱却させ、聖なる領域へと成長させると信じている。
その「公正な決闘」を行わせるためなら、マンダムを使うことも厭わない。
ただし、それは相手が自分を殺してでも勝利すると言う「漆黒の意志」がある場合のみである。
この意志なきものは勝負の土台にも乗らないものとして、リンゴォはまともに取り合わない。
また、「公正な決闘」そのものに必ず勝つため、勝負を有利にするためにマンダムを使うことは決してない。
これは相手と対等であったり、勝利の可能性がわずかに自分の方が低くとも変わらないのである。
作中、ガウチョやジョニィと対戦時にマンダムを使用していないのもこのため。
対して、相手が覚悟を決めており、リンゴォ自身もスタンド能力を最大限活用しなければ公正に勝利できないと目される場合は勝利するまでマンダムを使用する。
作中でのジャイロとの名勝負がこれに当たる。
最後に、リンゴォは決闘を通じて「男の世界」という生き方を、その命を懸けて伝えきった。
さて、このリンゴォが言う「真の勝利への道」に至る「男の価値」、「男の世界」とは何だろうか?
単に狂気のガンマン、リンゴォの妄言であるなら今後のジャイロの成長につながらないし、ジャイロはこの後もリンゴォのような価値観に変化したりはしていない。
これは作中からなんとか読み取った筆者の考えであるが、「男の世界」とは自分が100%決めた通りの生き方を生ききる、それ以外の迷い、ブレ、悩み、不安を抱くことをしない、ということである。
己の信じることをする、というのは簡単なようであるが、社会や周りからの期待、しがらみ、これまでの自分の生き方、心のぜい肉といったものを振り切って、自分で定めた価値観でのみ生きる、というのはなかなかに困難だ。
ジャイロ自身も周囲からの期待を父グレゴリオの幻影という形で囚われてきていたが、最後には「自分が納得する生き方をする」ということだけに焦点を当て、成長を果たした。
これはジョジョ7部の一つのテーマと思える。
自分自身は自分の生き方に胸を張れるだろうか?
出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険
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