【ジョジョ6部アニメ感想】ストーンオーシャン22話 天国の時!新月の時!新(ニュー)神父!

第22話 天国の時!新月の時!新(ニュー)神父!

一つのベッドに寝そべるDIOとプッチ神父から開幕です。


ここでDIOが語ることはただの雑談なんでしょうか?
ホワイトスネイクの魂とスタンドを永遠に保存できる能力の有効性を語るための雑談?

僕はこれもDIOの「天国」の思想の一つと解釈してみています。
DIOは死の恐怖を克服することと、その成り上がり思考で永久に影響を与える存在になりたいのかな?と思っています。

それはそれとして、2人の関係性も実のところ謎ですよね。
DIOはプッチ神父に友情なんて感じていない、とも荒木先生はインタビューで語っていますが。
DIOに服従も崇拝もせず、ザ・ワールドを奪うこともせず、友として居続けるプッチはどんな存在だったんでしょうか。
ジョナサンにすら友情を感じなかった「奪う者」であるDIOにとってのプッチ、いつか荒木先生にお聞きしたいです。

そして、前回からの続きです。
水を熱湯に変えるスタンドで消滅したFFですが、なんとトランシーバーを持っており、そこからウェザー・リポートの声がッ。
ここは連載時、めちゃくちゃ興奮しましたね。
もう終わったと思ったら、状況を察して雨を降らせるウェザーかっこよすぎます。

さらにFFはホワイトスネイクの正体がプッチ神父であることをウェザー・リポートにモールス信号で伝えます。
本体がわからなかったからこそ優位を保っていたホワイトスネイクのアドバンテージをついに無くすことができました。
このときのホワイトスネイクの焦りようは面白いですね。

ホワイトスネイクはディアボロのキング・クリムゾンと同じで、本体より先にスタンドが明かされている関係でスタンドがしゃべります。
キング・クリムゾンはそのままディアボロの人格、ディアボロと同じことをしゃべっていますが、ホワイトスネイクはプッチ神父と違うことをよくしゃべっていますね。

明らかにホワイトスネイクはプッチ神父の声に出さない内心を話し続けていますね。
プッチ神父の二面性を表しているんでしょうけど、ホワイトスネイクしゃべりまくりで笑っちゃいますね。

荒木先生曰く、本当に強い人は悪さをしない。
心の弱い人が悪事を働き、本当に恐ろしいのは弱さを攻撃に変える人だ、という言葉があります。
心の強い弱いはあると思いますが、それを弱さや攻撃にしない人、さらけ出せる人が徐倫承太郎のような強い人で、それを隠したり強がるのがプッチ神父なんだと思います。
ホワイトスネイクはプッチ神父が隠しているイライラや怒りを表現しているのでしょう。

局地的豪雨のサポートでFFが逃亡している頃、アナスイの愛の告白を徐倫は華麗にスルー。
緑色の赤ちゃんは謎の生態をしてます。
この赤ちゃんはなんの意識も知性もないように見えますが、本来のDIOの計画ではこうではなかったんでしょう。
ザ・ワールドをどうやってか緑色の赤ちゃんと融合させるつもりだったのですから、DIOの意識なり記憶なりは引き継いでいるつもりだったんだと思います。
「14の言葉」で知性を示し、という文言から、ザ・ワールドに記憶や魂を持たせて、緑色の赤ちゃんとして復活し、プッチ神父と融合して上書きしながら人格の再構築でもしようとしたのでしょうか。

そんなこんなしつつ、徐倫&アナスイとFF、ウェザー組は合流します。
どうやってFFたちは徐倫を見つけたんでしょうね。

ヒーラーのFFが合流したことで身体中穴だらけの重傷だった徐倫とアナスイようやく回復です。
なんでプランクトン詰めるだけで右目まで治るのかって話ですが(笑)
これはフー・ファイターズが模倣する能力だから、だと思っています。

そして突然のウェザー・リポートの裏切り!
と思いきや実はホワイトスネイク!
ちょっとみんな忘れたかった、ジョンガリ・A戦で見せた複雑怪奇なあの幻覚能力をもう一度持ってきたのかぁぁぁっ!
しかも、ホワイトスネイクの上にウェザー・リポートの幻覚を被る、みたいなことまで出来たんかい、と思いますよね。


幻覚のジョンガリ・A戦においても、承太郎と徐倫に直接的な何かをすることなく夢を見せていることから、ホワイトスネイクは「催眠」と「幻覚かぶせ」が能力の応用としてできることになります。
この辺りはホワイトスネイクの記事で考察してみています。

ホワイトスネイクは本体との距離が近ければそこそこパワーが出せるという、ハイウェイ・スター涙目の特性があるようで、一気にアナスイ、FFが瀕死に追い込まれます。

連載がのここからのクライマックス感は半端なかったですね。
徐倫対プッチ神父の手錠デスマッチ!
ホワイトスネイクは手じゃなくても本体に触れてるだけでスタンドDISCが露出してしまうと言う新たな特性にピンチになりつつも、徐倫の成長をプッチ神父という視点からはっきり感じられる最高のシーンです。

ここまでプッチ神父は徐倫のことを「承太郎の娘」としか認識していなかったのですが、近接格闘能力、どんなに追い込まれても微動だにしない精神力、スタンドの扱いと、初めて「空条徐倫」を脅威と感じるんですよね。

ストーン・フリーの糸の手錠が破壊できない、というのもめちゃかっこいいですし。
この精神力の強さこそ徐倫の強みですね。
神父は凄みなんて言葉で表現していますが、これまでのプッチ神父によって創り出された死闘によって目の前の敵を逃さない漆黒の意志まで闘志を磨き上げているんじゃないかと。

アニメだと「静」の表現は難しいのかな?とも思います。
漫画での、プッチ神父がどんなに小細工をしたとしても徐倫の方が格闘において上回っている、ということを理解していないプッチ神父に対して
「ああ。全然理解しない、ということを理解したよ」
背景の草地がストーン・フリーのオラオラの衝撃で吹き飛んでる、というこのシーンが大好きなんですが、表現難しかったかなぁ〜。


土壇場の駆け引きではまだプッチ神父が上手、承太郎の記憶DISCを確保するためにプッチ神父を逃してしまいます。

ここで例の「14の言葉」で緑色の赤ちゃんと融合します。
この14の言葉の考察、まだ途中ですが少しずつ進めていきます。


アナスイは自身の命と共に差された承太郎の記憶DISCが失われることを回避するために、即座にFFに生命力を与えることを選択します。
アナスイはちょっとふざけてるように見えるくらい徐倫への愛を表現してますが、命を即断で賭けられるほどに本気なんですよね。
決断の芯にブレがなく真っ直ぐで、迷うことすらない。
自分がプランクトンと呼んだFFに生命力を差し出すことすら厭わず全力を尽くす姿はかっこいいですね。

生命エネルギーをアナスイから受け取ったFFはそのまま、アナスイの傷を埋め、承太郎の記憶DISCを抜き出しました。
そして、すべてのエネルギーを使い果たしたことで、FFは今度こそ昇天します。

この昇天、もう本当におしまい、「死」なんだな、と寂しくなりますね。
プッチ神父はホワイトスネイクの能力を「魂」の保存と言っていますが、FFが言うように「それは別のフー・ファイターズ」なんですよね。
ホワイトスネイクのDISCは感情や想いは遺さないんです。
FFの言うように、友達にさよならを言うあたし、こそがFFの魂でした。


その運命を生き切って、成すべきことを為しきったFFは間違いなく黄金の精神の持ち主でした。
プランクトンから自我を持ち、知性を得て、そして魂にまで至ったFFの生き方、死に様は感動です。
震える!
もっと頑張るぞって思えますね。

というところでまた次回!



出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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