【スタンド考察】シュガー・マウンテンの泉を解説!

シュガー・マウンテンの泉/Sugar Mountain's Spring.

使いきれない富は身を滅ぼす?
シュガー・マウンテンの泉の試練はなんだったのか、徹底考察ッ。

破壊力:E
スピード:E
射程距離:E
持続力:A
精密動作性:E
成長性:E

シュガー・マウンテンの泉

シュガー・マウンテンの泉

シュガー・マウンテンの泉のスタンド解説

本体名:シュガー・マウンテン/大木

泉の大木

ジョジョ版金の斧、銀の斧

破壊力:E
スピード:E
射程距離:E
持続力:A
精密動作性:E
成長性:E

ジョジョの奇妙な冒険 第7部 スティール・ボール・ランのレース第6ステージ、ミシガン湖畔にある森の中にある泉とそこに住む少女である。
少女の名前の元ネタはニール・ヤング(Neil Young)の楽曲、シュガー・マウンテン(Sugar Mountain)から。


能力は「童話金の斧の泉、ただし得たものは日暮までに使い切らなければならない」。

シュガー・マウンテンの泉はミシガン湖畔の森の中にある樹齢1000年とも2000年とも思われる大木と、その根元にある小さな泉である。
そして、推定16歳の盲目の少女、シュガー・マウンテンがこの大木と泉を守るかのように住んでいる。

シュガー・マウンテン自身はスタンドの本体ではなく、大木がスタンド本体であり、スタンドは泉であるとされている。
オシリス神取り立て人マリリン・マンソンのような能力顕現型でかつ実体化している能力顕現物質型のスタンドだと思われる。

シュガー・マウンテンの泉は猫草のように植物のスタンド化というわけではない。
聖人の遺体の右腕部と両耳部がここに隠されていることから、遺体を資格なき者から守るための「悪魔の手のひら」のようなものだとジョニィは推測している。

これは聖人の遺体の持つパワーの表れ、守護聖霊のようなものである。
ジョニィが手に入れた聖人の遺体の左腕に宿っていたタスクACT1や、ジャイロが手にした聖人の遺体の右眼に宿っていたスキャンがこれに当たる。

聖人の遺体が形成する「悪魔の手のひら」は手に入れようとするものを試すような環境を形成する。
同様に、シュガー・マウンテンの泉のスタンド能力も泉に訪れたものに対する試練のような内容になっている。
そしてシュガー・マウンテンはこの泉の試練の番人として囚われ続けている。

試練の内容はイソップ寓話の「金の斧」を彷彿させるものである。
なお、イソップ寓話としての題名は「金の斧」でこれが童話として翻訳された際に「金の斧、銀の斧」という題名に変更されたようだ。
泉の中にものを落とすと、落としたもの、またはそれに良く似た形状の最高品質なものが番人の手元に現れる。

番人は落としたものは最高品質のものか、実際に落としたものかを落とした人物に問いかける。
この一連の流れは泉のルールとして決められているため、番人のシュガー・マウンテンは自動的にこれらの行動を行うようである。

ここで落とした人物がウソをついて、最高品質のものを落としたと答えると大木から蔓が伸びて、ベロに突き刺さり、喉から内臓を抜き取るという恐ろしい罰が待っている。

ベロ串刺しのつるとシュガー・マウンテン

正直に落としたものを答えると、落としたものと最高品質のもの両方を得ることができる。
ウソをついたら死ぬ以外は金の斧と同じ流れであるが、ここにさらに試練としてルールが課せられる。

得た最高品質のものをその日の日暮、太陽が西に沈むまでに使い切らなければならない。
この使い切るとは価値と価値との交換、等価交換を指している。
飲食物であれば飲み食いで消費すれば良し。
金銭や宝石などの場合、自身と取引相手がこの取引が等価交換であると認めれば良い。
金額とものが市場価格で見合ってなくても、当人同士が互いに等価であると認識していれば良いようだ。
逆に強引に手渡す行為は認められない。

シュガー・マウンテンの泉の試練を受けたものは大抵、最高品質のものを受け取ってしまい、その非常に高価なものを数時間で使いきれずに試練に失敗してしまう。
中にはジャイロのように、泉のルールを理解して調子に乗って最高品質なものを複数手に入れてしまうものも多かっただろう。
当然全てを使い切らなければならない。

そして全てを使いきれなかった場合、大木から伸びる木の根に捕らわれ、身体が木の実と化して大木に飲み込まれてしまう。
木の実として囚われると、番人は解放され、次の木の実になっていたものが番人となる。
こうして木の実で順番待ち→番人→解放という手順を踏むまで何十年と捕らわれ続けることになる。

イカサマを見破ってしまったがために強引な取引の判定に遭うジャイロ

なお、木の実や番人でいる間は歳を取ることはないようである。
シュガー・マウンテン自身も50年近く囚われて番人をしていたようだ。

この試練を乗り越え、聖人の遺体に認められたものが現れると、囚われていた木の実の人間全員と番人が完全に解放される。

しかし、そのためには試練を受けるものが当然求めている聖人の遺体すらも全て使い切らなければならないのである。





得るためには代償を、価値には価値を等価交換

真の能力は「本当に得たいものに気付く試練、全てを得たいものへの試練」。

ある聖人、キリストらしき人物が東進した後、その遺体は何か目的があるかのようにアメリカ大陸に散らばった。

そのうち、両耳部と右腕部は成長する大木に守られ、「悪魔の手のひら」のような領域となった。
遺体が2つあるため、試練も2段階となっているようだ。

まず第一の試練、これは遺体を求めていないが、シュガー・マウンテンの泉に訪れた人に対する試練と考えられる。
これはイソップ寓話「金の斧」の通り、正直者であれ、という教訓の試練がまず大前提存在する。
そして、人生は泉で得られる「最高のモノ」によって幸せになるのではなく、その「モノ」を通じて得られる体験こそが人生の幸せである、ということに気付かせるための試練が第一の試練だ。

通常、正直に応えて最高品質なものを手に入れたとしても、結局日暮れまでに使い切らなければならず、高額な金銭も金塊も宝石も金の斧も手に入ることはない。
結局何も手に入れることができず、使い切るという大変なことをしなければならない、大変な徒労だけが残る試練のように見える。

だが分かりやすく豪華な食品やワインを手に入れた場合、これらを飲み食いして消費するだけで使い切る、という試練はクリアできる。

腹一杯のジャイロとジョニィ

このことから、本来の泉の試練は大金など高価なものを得て、これによって幸せな経験を強制的にすることで幸せはモノではないと気付かせるようなものなのであろう。

食事をしたり、出かけたり、仲間や愛する家族とゆったりとした贅沢な時間を味わうこと。
躍起に金を求めるのではなく、それによって得られる時間こそが幸せ、そんな教訓を与える試練なのだ。

ただ時間制限があることやウソをつけば即死、使いきれなくても木の実化という罰によってそんな試練として機能していないのであるが。

そして第二の試練は「真に得たいもののためには、得ることを諦める」という試練である。
これは非常に高い目標設定する際に起こることを実体験させる試練だ。

シュガー・マウンテンの泉の中で最も価値のあるものは間違いなく「聖人の遺体」である。
そしてこの遺体を求めると、遺体を使い切らなければならず、遺体を手に入れられなくなる。

これはお金持ちになりたいと思って起業をすると、一時お金が全くない状態で努力し続けることになったり、スポーツで優勝するぞ、スポーツ選手になるぞという目標を掲げると、それ以外の全てを投げ出してトレーニング漬けになったり、というように現実で起きうることである。
そして、それをしたとしても必ずしも目標が達成できるとは限らない。

その中でも全てを差し出して、差し出したことにも、人生で絶対に大事と思えることにも責任を取るものが全てを得る。
そういう試練である。

楽して得られることはない。
そして、得ると決めると責任が発生する。
ジャイロが回想した、親子のどちらかしか助けられないという状況も同じで、命を助けるためには、どちらかは助けられないという責任が発生する。
そこは「無限」、「神の領域」、つまり答えのない世界だ。
「聖人の遺体」は国に平和と栄光をもたらす圧倒的なパワーを持っているからこそ、得ようとするものはこの試練を乗り越える必要がある。

ジョニィは一瞬、遺体を手に入れるためにジャイロを犠牲にしようと迷ってしまったが最後には遺体を諦めて差し出した。

ジャイロを生贄に差し出しかけるジョニィ

この2つの試練を実現させるためのルールを施行する能力顕現型、最高品質のものを実体化する能力顕現物質型の能力が、シュガー・マウンテンの泉のスタンド能力である。





金の斧の犠牲者、推定66歳の美少女シュガー・マウンテン

聖人の遺体の守り神、その番人を務めてきたシュガー・マウンテンであるが、元々はただの人間である。
家族3人でたまたま湖畔に訪れ、彼女の父親が「鉄の斧」を泉に落としてしまった。
寓話の通りに父親は正直な答え、「金の斧」を手に入れてしまうが、日暮までに使い切ることができず、家族全員「木の実」にされたようだ。

順番待ちのシュガー・マウンテンの木の実化された両親

それから何年もの間に木の実化される旅人や探検家が現れて、1人木の実になると1人番人から解放されていき、シュガー・マウンテンの番になった、というわけだ。
おそらく木の実にされてから50年近く経っている。

そもそも番人は試練に見合う人材を探して来させるための餌であると考えられる。
「悪魔の手のひら」は基本待ちの姿勢であるが、大木と泉は積極的に資格ある者を探していたようである。

大木と泉は「正直者」を優遇するようで、殺すつもりはなく、ただ木の実にしたり番人として働かせている。

シュガー・マウンテンもまた、資格ある者、正直者を泉に誘き寄せるべく試行錯誤してきたと思われる。
泉の力で年を取らず、不死とはいえあの身のこなしは何度となく飛び回り、番人としての役目を果たして来たから身についたものだろう。

最後に日本のイソップ童話「金の斧、銀の斧」において泉に落としたものを訊ねるのは泉の女神となっている。
これは原典のイソップ寓話では、女神ではなくヘルメス神となっている。
日本語にする際、ヘルメス神を水神と訳したことから始まった誤解のようだ。

ジョジョでヘルメス神というと、「岸辺露伴は動かない」のThe Runに登場する橋本陽馬の筋肉に現れたのがヘルメス神であった。
今回はこれとは関係がないが、ヘルメス神といえば旅人の神。

全てを差し出して失い、ただ仲間を取り戻して2人で雪の中、乾杯をするジョニィとジャイロにシュガー・マウンテンは守り神のように告げている。
全てを敢えて差し出したものが、最後には真の全てを得る
と。

全てを敢えて差し出した者が真に全てを得る

真の全て、が遺体のことなのか、ジョニィは最後に何を得たのだろうか?


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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