【スタンド考察】マジェント・マジェントの20th センチュリー・ボーイを解説!

20th センチュリー・ボーイ/20th Century Boy.

動けなくなる代わりに完全防御するアストロンのようなスタンドをアース(接地)の観点から考察するッ。

破壊力:なし
スピード:C
射程距離:なし
持続力:A
精密動作性:D
成長性:C

マジェント・マジェントの20th センチュリー・ボーイ

20th センチュリー・ボーイ

20th センチュリー・ボーイの紹介

本体名:マジェント・マジェント

マジェント・マジェント渾身のギャグ

あらゆる攻撃を受け流す防御型スタンド

破壊力:なし
スピード:C
射程距離:なし
持続力:A
精密動作性:D
成長性:C

大統領がウェカピポと同時に放った刺客の1人。
元ネタは日本のヒップホップグループ、SOUL’d OUTの楽曲、Magenta Magentaから。





能力は「与えられるエネルギーを地表へ逃し、やり過ごす」。

本体にかぶさることで能力を発動する能力顕現・装着型のスタンド。

尖ったツノ付きのヘルメットと、肩パッド付きのコートのような見た目の20th センチュリー・ボーイ。
本体のマジェント・マジェントに覆い被さるように20th センチュリー・ボーイを装着すると、全ての攻撃エネルギーを地表に流し、無敵状態となる。

代わりに、本体のマジェント・マジェントは体を全く動かせなくなるようだ。

ウェカピポとマジェント・マジェント

20th センチュリー・ボーイの防御能力は非常に高く、銃撃やジャイロの鉄球、ジョニィのタスクACT2でも、回転のエネルギーを大地へ逃してダメージを受けつけない。
ウェカピポのレッキング・ボールに左半身失調すらも影響を受けていない。

このため、ウェカピポとコンビを組んだ際は、20th センチュリー・ボーイ発動中は鉄壁の壁にして囮役となっていた。
能力発動中は動けないものの、いつでも解除して銃撃できることから無視できない囮役として戦闘をかき乱している。

ただ、自身に味方がいない場合はこの戦術が使えない。
このため、20th センチュリー・ボーイ発動中であれば負けはしないが、動き出しの瞬間を狙われると攻撃を受けることになる。

そこでマジェント・マジェントは自分1人で戦う際は腹にダイナマイトを巻きつけて、点火したのちに20th センチュリー・ボーイを発動というコンボ技を使う。
自身は防御でダメージを負うことなく、相手を爆発に巻き込むと言う無敵の自爆技である。





エネルギーのアース能力

能力の本質は「本体表面と内側での、エネルギー伝導率の偏移」。

20th センチュリー・ボーイの真の能力はエネルギー伝導率を偏らせる能力と言える。
20th センチュリー・ボーイを発動すると、本体表面のエネルギー伝導率が急激に高まる。
そして、本体が大地と触れることでアース(接地)した状態になる。

例えば、電気設備や電子機器でも漏電した際に人が誤って触っても感電しないように接地されている。
これは、電気エネルギーには伝導率の高い経路を優先して流れるという性質があることを利用している。

人体という伝導率の低い物質より、伝導率の高い接地線を通るため、漏電している機器に触れても接地していれば、人が感電する危険は低いのである。

電気エネルギーは電位の高いところから低いところへ流れる。
もっとも電位が低い電位の基準点、それは大量の電気エネルギーを保持して発散することができる大地である。

つまり接地とは電位の低い大地と伝導率の高い接地線で結びつけることを言う。


これと同様に、20th センチュリー・ボーイは本体の表面を接地線で編まれた膜のようなもので覆う。
このスタンド膜は電気エネルギーの導電率が高いだけでなく、スタンドパワーや回転のエネルギーといった「知性」のエネルギーもアースして散らす効果がある。

ダメージを地表に流す20th センチュリー・ボーイ

20th センチュリー・ボーイを下に流す能力と解釈する場合もあるが、正確にはアースする能力である。
ジャイロの投擲した銃弾はマジェント・マジェントに命中したあとで上空に飛んでいき、下に流れていないのも、接触の瞬間に運動エネルギーを散らしただけに過ぎず、あとはぶつかった角度から上空に跳ね上がったからだ。

また、20th センチュリー・ボーイの膜は接地線で何層にも編み込まれた防弾・防刃チョッキのようになっており、弾丸やナイフを通さず、その運動エネルギーも緩和する。

20th センチュリー・ボーイは、この伝導率の非常に高い膜を本体の伝導率を偏らせることで生み出している。
例えば、本体の電気エネルギーの導電率を絶縁体レベルまで低下させる代わりに、本体表面のスタンド膜の導電率を高める。

物理的には鉄や銅といった自由電子が存在する金属結晶は導電率が高く、電子の遷移に要するエネルギーが高いものほど導電率が低い。
物理法則をスタンドパワーで超越していると思われる。
20th センチュリー・ボーイのやっていることは、このように変化を受けやすいスタンド膜を作り出す代わりに、本体が変化しにくい状態にすることである。

この本体の変化のしにくい状態というのが、もう一つの防御能力である。
変化しにくい、とは周りからの影響を受けない、ということである。
運動エネルギーの衝撃も伝播しにくいため、鉄球や銃撃、ナイフの刺突なども弾いてしまう。
熱エネルギーも伝播しにくいので、ダイナマイトで火傷することも、爆風で負傷することもない。

防御能力を活かしたダイナマイト自爆

そして、本体自身の動きも変化しにくいため、動けなくなる。
全てが動かないということは、時間が止まっているようなものであり、生命活動すらも緩やかになる。
このため、20th センチュリー・ボーイ発動中は呼吸や食事、睡眠も不要となっている。


この偏移率はある程度操作できるものと考えられる。
作中でも、マジェント・マジェントがジャイロとジョニィを襲った時やウェカピポと戦った時は、20th センチュリー・ボーイ発動中も周りを感知しているようであったし、鉄球で体表面から血を流しているレベルの軽傷は負っている。

ウェカピポの策にハマり、デラウェア河底に沈められたマジェント・マジェントは水中で生き延びるために20th センチュリー・ボーイを最大限まで発動したと思われる。
ここで窒息を避け、低体温症による死亡を回避するために、わずかな呼吸もせず、水温の伝導を受け付けないようにしたのだ。
代わりに、脳の思考活動すらも停止して、「考えるのをやめた」のである。






謙虚に振る舞えなかった男マジェント・マジェント

マジェント・マジェントは過去が明かされておらず、なぜ大統領の刺客となっているのか不明なままであるが、スティール氏を暗殺しようとする慣れた手口から、ヤクザもの、殺し屋のような類いであったと推測できる。

マジェント・マジェントとは、一方通行の男である。
コンビを組んでいたウェカピポとは仲が悪く、ウェカピポからすると信用できない男と思われていた。
「下っぱのカス」、「謙虚に振る舞え」と再三にわたって言われる始末である。

にも関わらず、マジェント・マジェントはウェカピポとコミュニケーションを取らない。
取っていないわけではないが、ウェカピポの言葉をほとんど受け取らず、受け流し、雪男の涙のギャグをかます。

マジェント・マジェントはそのスタンド能力である20th センチュリー・ボーイが受け流す能力であるように、全く相手の話を聞かずに受け流す。
それでいてウェカピポや遭難していたところを助け出したDioが自分を好きでいてくれると思い込む。
基本的に自己中心的でマイペースな男だ。

謙虚になれないマジェント・マジェント

この徹底した一方通行だからこそ、20th センチュリー・ボーイというスタンドを発現のかもしれない。

自爆特攻でウェカピポを追い詰めたものの、怒りをぶつけている間に策にはめられる。
防御の姿勢をとったお前を倒せるものはこの世に存在しない、とウェカピポに評価されつつ、倒されてしまう。
一方通行ということは相手の力量も計らない、ということ。
ウェカピポに20th センチュリー・ボーイの特性を見抜かれてしまっては勝つことも難しかった。


余談であるが、マジェント・マジェントの元ネタを歌うSOUL’d OUTは大のジョジョファンで有名。
元ネタのMagenta Magentaの歌詞にエイジャの赤石が登場するくらいである。
このエイジャの赤石からカーズの「考えることをやめた」セルフオマージュをして、マジェント・マジェントは退場する。


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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