【スタンド考察】アクセル・ROのシビル・ウォーを解説!

シビル・ウォー/Civil War
メンタル攻撃は基本ッ。
復活とおっかぶせまでするシビル・ウォーを徹底考察!

破壊力:なし
スピード:C
射程距離:C
持続力:B
精密動作性:C
成長性:なし

座っているシビル・ウォー

シビル・ウォー

シビル・ウォーの能力説明

本体名:アクセル・RO(ロー)

アクセル・RO

過去に捨てたものを喚び起こす

破壊力:なし
スピード:C
射程距離:C
持続力:B
精密動作性:C
成長性:なし

ジョジョの奇妙な冒険 第7部 スティール・ボール・ランに登場する大統領の刺客、アクセル・ROのスタンド。
本体名の元ネタはアメリカのロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼス(Guns N' Roses)のボーカル、アクセル・ローズ(W.Axl Rose)から。
スタンド名の元ネタはガンズ・アンド・ローゼスのシングル、シビル・ウォー(Civil War)から。

能力は「標的が過去に捨てた物や人物として実体化し、襲わせる」。

円盤を重ねて横から見たような顔を持つ人型の能力顕現・空間型スタンド。
部品の寄せ集めのような、機械的なフォルムのスタンドでスタンド体はガラクタのようにバラバラにすることができる。

シビル・ウォーは事前に指定した空間内にいる標的に対して、標的が「過去に捨てたもの」の実体ある幻影を呼び起こす。
この「捨てた」とは、使わなくなって捨てたものから、すでに故人であるが罪悪感を持っている人物、生きているが関係を断った人物まで広く当てはまる。

シビル・ウォーは標的が捨てた、犠牲にした、故意に殺害した、などの「罪」を感じているもの全てをスタンド物質やスタンド体として呼び出す。

人は何かを捨てて前へ進む。それとも拾って帰るか?

この「捨てられた」ものたちはシビル・ウォーの支配下にあり、標的に襲いかかる。
捨てられたものは触れると身体の中に潜り込んで融合してくる。
そして、標的は自身が捨てたものに触れられると、それを捨てたときの「トラウマ」とでも言うべき記憶と罪悪感をまざまざと思い出してしまう。

この罪悪感をトリガーにして、捨てたものが触れた身体の箇所が溶けてゴム膜かラップのように変質して標的をぐるぐる巻きに巻いて封じてしまう。

強制的に嫌な記憶を思い出させられるため、標的は力を発揮できずにそのまま行動不能にさせられてしまう。
この罪悪感の梱包は強力で、標的の罪の意識によって作られるため、逃れることはできず徐々に息苦しくなってくる。
罪の意識で押し潰され、最後には「心が折れて」しまう。
すると、実際にこの罪の梱包は圧縮し始め、標的はベコベコに平らになるまで押し潰され、動けなくなる。

過去の罪に心が折れるホット・パンツ

この罪の意識は標的自身の捉え方に依存しており、ジョニィホット・パンツのように過去に心の傷を負った人物にとっては不倶戴天のスタンド能力である。

シビル・ウォーのこの攻撃を止めるには、清潔な水で捨てられたものを洗い流して清める必要がある。
清潔な水であれば、飲料水でも井戸の水でも関係ないようだ。

水で洗い清められると、捨てられたものはドロドロに溶けて消え去り、過去の記憶の強制想起も止まる。
ただし、シビル・ウォーの能力で捨てられたものは何度でも呼び出されるため、一時しのぎにしかならない。





記憶実体化能力の特殊フィールド効果

真の能力は「罪悪感をトリガーにした記憶と知性の凝固、実体化する空間そのもの」。

シビル・ウォーは特定の空間内に充満するスタンドエネルギーそのものがスタンドという珍しい空間型スタンド。
ジャスティスデスサーティーンティナー・サックスに類似したスタンドといえる。

シビル・ウォーは人型のビジョンを持っているが、能力を発動させると、半径数十メートル程度の空間に霧散してシビル・ウォーの能力空間を創り上げる。

この空間内はジャスティスの霧の中やデスサーティーンの夢の中のように、どこでもシビル・ウォーのスタンド能力の影響下にあることになる。
さらに、シビル・ウォーは空間内に遍在しているため、凝集して人型のビジョンをとることもできるし、バラバラになることもできる。

シビル・ウォーは、「捨てた」行為と罪悪感という感情を検知する走査波を能力空間内に発信し続けている。
この走査波は人間の「知性」を走査し、記憶と感情を読み出して罪悪感と参照する。
そして、罪悪感と一致した記憶にある人物や物体を読み出し、能力空間内に投射する。

シビル・ウォーのスタンド空間は記憶や感情といった「知性のエネルギー」と反応して凝固するという性質を持っている。
このため空間に投射された罪悪感の記憶は、これに紐付く人物や物体を焦点として像を結び、スタンドエネルギーが実体化する。

父親というトラウマが襲ってくる

これがシビル・ウォーの空間内で罪悪感の元となる人物や物体が現れる原理である。
なお、シビル・ウォーは標的の記憶をランダムに走査しているだけで、狙った記憶を引き出しているわけではない。

アクセル・ROは自身が過去の経験から多くのものを「捨てて」しまい、その罪悪感に苛まれている男である。
常にその罪の意識から逃れたいと願うからこそ、シビル・ウォーを発現したと自身で分析している。

過去の幻影を実体化するというスタンド能力は、罪の意識から逃れたいアクセル・ROと同じ体験を他者にもさせるだけで、自身の解決にはつながらなかった。
しかし、彼は自身のスタンド能力の応用と、「先」に気づく。

まず能力の応用について述べる。
シビル・ウォーの空間内で「捨てる」行為が発生すると、捨てた本人の罪悪感により、その場で捨てたものが実体化する。
そして、空間内で人を殺すと、これも「捨てる」行為と判定され、殺された人物が殺害した人物の罪悪感によってその場で蘇り実体化する。

アクセル・RO本体が倒されることでシビル・ウォーが完成

殺された死体はそのままに、死亡した人物は記憶もつながったまま死体の近くでスタンドエネルギーの塊として復活する。
復活した人物は、殺害した人物の罪悪感によって実体化しているため、再度倒されようと何度でも復活する。

この復活は、罪悪感を持つ人物の記憶の実体化にとどまっていない。
シビル・ウォーの支配下になく、復活した人物の意思のもとで動くことができる。
これは恐らく、記憶の実体化だけでなく、その場で死んだ人物の「魂」ごとシビル・ウォーの「知性」を凝固する能力によって実体化してるためと考えられる。

ほぼ完全な形のままシビル・ウォーの能力で保存された魂は近くにある自身の死体に入り込むことで容易に肉体ごと復活することができる。

これがシビル・ウォーが解除されたあとでもジョニィが生きていた理由である。
なお、ジョジョ世界では「知性」と「肉体」はフィードバックする関係がある。
スタンドが傷付けばスタンド使いの肉体が傷つくように、「魂」がほぼ完全な形であれば、肉体の傷は癒やされた状態に戻る。


次に、シビル・ウォーの能力の「先」について述べる。
前述したように、シビル・ウォーの能力空間内で殺害されると、殺害した人物の罪悪感として復活する。
この際、シビル・ウォーのフィールド効果により、殺害された人物自身の罪悪感も、殺害した人物の「罪」となる。
殺害された人物の「罪」が、殺害した人物におっかぶさり、転嫁するのである。

作中では、ジョニィがタスクACT2で射撃してアクセル・ROを倒したが、シビル・ウォーの能力により、ジョニィの罪悪感によって復活する。
さらに、アクセル・ROが自身の失態によって見殺しにしてしまった多くの人々という過去の亡霊は全てジョニィにおっかぶさり、実体化してゾンビのように襲いかかるようになった。

アクセル・ROは晴れて長年悩まされてきた過去の亡霊をジョニィになすり付けることに成功したのである。

これがシビル・ウォーのフィールド効果を使った最終形である。


長くなったので、シビル・ウォーのコンボをまとめる。

シビル・ウォーは「捨てる」行為と罪悪感をトリガーに記憶を実体化して、標的を襲わせる能力である。

人物Aの罪悪感はAを標的にロックして何度も実体化して襲ってくる。

人物Bの罪悪感はBを標的としてロックしている。

AがBを倒すと、AはBを捨てたことになり、BはAの罪悪感として復活する。
ただし、復活したBは魂があるため、自由意志がある。

Bの罪悪感はBのものであるが、BはAの罪悪感として実体化しているため、Bの罪悪感もAの罪悪感扱いとなる。
そして、Aを標的としてロックする。

これがシビル・ウォーのコンボである。

自分が一度死ぬことで自身の罪悪感をきれいに捨てて、誰かになすりつけて、復活して逃げおおせる。
これがアクセル・ROが望むシビル・ウォーの完成形だ。

なお、なすりつけられた罪では触れただけでラップのように包み込まれることはないようだ。
水で清められるかどうかも不明。





罪から逃げ、責任転嫁する男

アクセル・ROは1863年、従軍している兵士だった。
年代や現在のアクセル・ROがある街がゲティスバーグであることから、彼が従軍した戦争はアメリカの南北戦争であると思われる。

南北戦争はアメリカ国内の内乱であるため、シビル・ウォーと呼ばれる。

南北戦争はスティール・ボール・ランの作中時代の約30年前に起きた戦争で、少年期のリンゴォを襲った元兵士、逃亡兵になったディエゴの父、捕虜になったヴァレンタイン大統領の父というように登場人物に間接的に影響を及ぼしている。


アクセル・ROは敵軍に対する哨戒と、進軍を検知したらランプを灯して味方軍に知らせることが任務であった。

しかし、敵軍が進軍してきた際、酔って気付かず、さらにランプを灯したら敵軍に発見されて殺されると恐れて任務放棄した。

結果的にゲティスバーグは激しい戦闘になり、両軍と巻き込まれた街の市民数万人が自分のせいで死んでしまった、という過去の罪悪感に囚われている。

アクセル・RO自身がこの罪悪感に苛まれており、過去の亡霊を幻視しているように思われる。
そんな彼からすると、罪悪感が実体化するシビル・ウォーは彼自身の日常を実体化する悪夢のような能力であり、人は何かを捨てなければ前へ進めないという信条をそのまま表したような能力だ。

罪から清められたいだけの男、アクセル・RO

アクセル・ROはこの罪から逃れたいとばかり願っており、罪悪感に対して償う、といった生産的な向き合い方をするつもりはない。
重い責任から逃げ、できることなら何か大きな存在に肩代わりして欲しいと思っている。

そして自身を正当化するように、人は何かを「捨て」なくては前へ進めない、と嘯く。
そして、自分と同じように罪悪感に苛まれる標的に対して嘲るように、それとも「拾って」帰るか?などと問いかける。

ただシビル・ウォーの足止め能力は絶大だ。
どんなに強い戦士も過去の亡霊に対して立ち向かうときは怯んでしまう。
そして、実体化した亡霊に触れれば封印される。

この能力を買われて大統領の刺客をしているうちに、シビル・ウォーの完成形に気づいたのだろう。

ジャイロジョニィに相対する際は、過去の罪が襲ってくる能力を説明し、水で清められるという弱点も公表することで公平な人物であることを装う。

これは自身の罪をジョニィになすり付けるという作戦を隠すための演技である。
アクセル・ROは政府に雇われることで自身の責任をアメリカ政府のせい、と責任転嫁し、さらにジョニィに罪をなすりつけ、「聖人の遺体」で清められたいと願って任務に従事していたのである。

ゲティスバーグで任務放棄した時から変わらず、自分本位の男である。
ジョニィを策にはめて逃げようとするが、逆にジョニィの漆黒の意思を呼び起こしてしまう。

目的達成のためなら、「聖人の遺体」さえ失っても構わない、という漆黒の意思の前にアクセル・ROはうろたえ、思わずジョニィを殺害してしまう。
これによりジョニィは復活して倒すことはできなくなり、全ての罪悪感がシビル・ウォーにより自分におっかぶさってしまった。

自分の考えた最強コンボをそのまま返されてしまったのである。

そして、アクセル・ROの思惑に気づいていたヴァレンタイン大統領に、シビル・ウォーの弱点を突かれて遺体を総取りされてしまう。

シビル・ウォーの弱点は、ギリギリ殺さなければコンボは発動しないことと、能力空間外からの銃撃なら「捨てる」判定にならないことである。
さすが、油断のならない大統領だ。

他人を踏みにじる邪悪であったアクセル・ROはゲティスバーグで敗れ去る。
ジョニィたちは遺体を全て失うが、この後シビル・ウォーが言っていた通り、過去と向き合い、乗り越える。
過去を経験にして乗り越える、自身があれほど嘯いた「拾って」帰ることが本当は大事だったのかもしれない。


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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